編集長の毒吐録
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☆2019/10/11更新☆

【読書雑記577】『暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史』(牧久、小学館、2000円+税)。「新左翼」の一角の革マル派の松崎明に支配された、民営化された国鉄(JR)の「秘史」と言えようか。これは、かつての「動労」(動力車労働組合)、さらにはJR東労組委員長にして革マル派の指導者とも見られたいる松崎明の死から8年。東日本は、松崎の「呪縛」から、解放される日を迎えたのか・・。

本書は、「コペルニクス的転換」といわれる方針転換によって、「国鉄民営化」に全面的に協力し、JR発足後は当局にも大きな影響力を発揮した松崎明の評伝であり、「平成史」の理解を助けるノンフィクション。日本共産党に入党した松崎明がその運動に見切りをつけるきっかけは、国鉄新潟闘争であったこと、また国鉄で本採用となる前に体験した職場での理不尽な差別に対する怒りがその後の運動における原動力となったことなど、本書を通じて知ることができた。

松崎明の表の顔は、動労、JR総連、JR東労組の指導者であり、裏の顔は革マル派の指導者だった。しかしながら、革マル派の指導者でもあったという点が松崎明の全体像を明らかにすることを困難なものとしていると言えよう。

革マル派は閉鎖的で秘密結社のようなセクトであり、その運動の実態には不分明なことも多い。しかもその主張は最高指導者の黒田寛一の難解で独特な表現で理解することが困難だ。それがゆえに、70年代以降武装闘争に向かう革マル派以外の過激派と比べるなら、革マル派は他党派襲撃以外ほぼ沈黙し公安警察もあまり関心を向けなかった。

国鉄分割民営化に際し松崎明は大々的に転向を宣言し、松崎は革マル派との関係についても絶縁したと主張するがその真偽ははっきりしないまま過ぎた。松崎こそが革マル派そのものなのだ、と本書は主張する。

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