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☆2019/11/1更新☆
【読書雑記583】『ケーキの切れない非行少年たち』 (宮口幸治、新潮新書、720円+税)。医療少年院の勤務経験がある児童精神科医の著者は、何人んもの非行少年と出会った。そこで、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に向き合う。少年院では、「ケーキを等分に切る」ことが出来ない非行少年と出会ったが、問題は普通の学校でも同じだった。「境界知能」の人々に焦点を当て、学校・社会生活で困らないように導くメソッドも公開するが・・。
著者は、職務を通して、非行少年の多くが「境界知能」の少年であり、「反省」→「更生」のステップを踏む以前に「反省」の意味すら認知できないことに気づいた。彼らは知能や認知能力が低いがゆえに、他者と上手くやっていけず学校や社会から落ちこぼれるが故に非行に走ると考察したのだ。
「非行少年たちの知的能力が低いか」の例を、第1章から第6章まで並べる。最後の第7章で、自身が考案し普及させようとしている認知機能トレーニングが紹介されている。しかしながら、これでは読者が「ソーシャルスキルを身に付けさせることが非行の抑止につながる」という著者の考えに賛同する前に、「やっぱり非行に走るのは知能が低いからだ」と考えてしまうのではないか。犯罪を犯した子どもにかかわった専門家として、経験や意見は読むに値する。
Smart Renewal History by The Room
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