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☆2019/11/12更新☆
【読書雑記586】『歴史戦と思想戦 歴史問題の読み解き方』 (山崎雅弘、集英社新書、920円+税)。著者は怒ってこの本を書いたのだろう。「歴史戦」という戦前の歴史が、「歴史修正主義」という企てで「占領」されいる。その企みが、日本人の知的・合理的思考を損ない、本当に「国益」を損なうものであっかどうかを本書は論じる。著者の冷静な筆使いが引き付ける。出版界と言論界での、一つの「戦いの成果」とも言えよう。
「日本軍の南京虐殺」や「従軍慰安婦問題」を「不当な日本攻撃」と捉え、そうした「攻撃」に反撃すべきだという「歴史戦」が盛んであり、そうしたスタンスの書籍が刊行されている。戦中にも、それと酷似したプロパガンダ政策が存在していた。政府主導の「思想戦」は、国民の認識を歪ませ、日本を破滅的な敗戦へと導いた。大日本帝国の否定的側面を批判する言論を「右派」は「自虐史観」と括る。
第一次世界大戦後の日本軍は、「総力戦」と「思想戦」を繰り広げたが、「思想戦」の「武器」は「紙の弾丸、声の弾丸、光の弾丸」だった。「歴史戦」を繰り広げる人の頭の中で「コミンテルン」が生き続けた。言われるところの「日本」は「大日本国帝国」であって、「戦後の日本」ではない。戦後もなお「大日本国帝国」の価値観や思想体系を継承する人間からすれば、こうした感情をもち行動する戦後の日本人は「大日本国帝国」に対する裏切り者であって、「反日日本人」ということになる。
「大日本国帝国」時代の国家神道や国体思想を否定されると、自国の「過去をすべて否定された」と考え、「ゆとり教育」もコミンテルンが考え出した「日本人弱体化」計画と映る。この戦いには、「敵国」はなく、日本国内で完結する戦いである。それは、過去の短い時期において「政府が誤った」ことを否認せずに認め、反省と再発防止の研究を自発的に行うことで、対外的な「宣伝戦」の効果を得ようとする。
Smart Renewal History by The Room
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