編集長の毒吐録
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☆2019/12/26更新☆

長野県上田市の「無言館」の近くに、「檻の俳句館」はある。「檻の俳句館」では、弾圧された17人の俳人の句と似顔絵が展示されていて、格子越し(檻)にその作品を味わうことができる。句がどんな状況下で詠まれたのかを、臨場感をもって鑑賞できる。

<治安維持法制下、戦争や軍国主義を批判・風刺した俳句等を作ったとして、多くの俳人が投獄されました。彼らの犠牲と苦難を忘れないことを誓い、再び暗黒政治を許さず、平和、人権擁護、思想・言論・表現の自由を願って、この「檻の俳句館」を開きました。しかし、もしかすると、かつて弾圧された若き俳人達は、私達よりも心が自由だったかもしれません。現代の私達こそ、檻の中で生きているのではありませんか>と、「檻の俳句館」館主のマブソン青眼は書いている。

展示されている17人の俳人の作品が展示されている。≪千人針を前にゆゑ知らぬいきどほり 中村三山≫≪ 降る雪に胸飾られて捕へらる 秋元不死男≫≪ 憲兵の怒気らんらんと廊は夏 新木瑞夫≫≪墓標立ち戦場つかのまに移る 石橋辰之助≫≪我講義軍靴の音にたゝかれたり 井上白文地≫≪戦争をやめろと叫べない叫びをあげている舞台だ 栗林一石路≫≪兵隊が征くまつ黒い汽車に乗り 西東三鬼≫≪出でて耕す囚人に鳥渡りけり 嶋田青峰≫

≪一兵士はしり戦場生れたり 杉村聖林子≫≪戦闘機ばらのある野に逆立ちぬ 仁智栄坊≫≪血も見えず敵飛行士の亡せゐたり 波止影夫≫≪大戦起るこの日のために獄をたまわる 橋本夢道≫≪徐々に徐々に月下の俘虜として進む 平畑静塔≫≪ナチの書のみ堆し独逸語かなしむ 古家榧夫≫≪英霊をかざりぺたんと座る寡婦 細谷源二≫≪血も草も夕日に沈み兵黙す 三谷昭≫≪戦争が廊下の奥に立つてゐた 渡辺白泉≫

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