編集長の毒吐録
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☆2020/3/6更新☆

【読書雑記617】『三人よれば楽しい読書』(井上ひさし・ 松山巖・井田真木子、西田書店、1600円+税)。著者が本を持ってきて、その本を鼎談方式で三人が感想を披露する書評。これぞ傑作と思うものを選んでいるため、読者に「これは読みたい!」と思わせる。格好のブックガイドになっている。僕も、こういう「書評会」をしたくなった。やろう!賛同する人は一報をください。

こういうやり取りが紹介される。「松山:一度、高田宏さんが3、4枚の書評のほとんどを引用で占めちゃったことがあったんです。つまり私としてはここを読んでほしいというところを、できるだけ引用するけれども、あとは読者が想像して買ってほしいということなんですが、読んでよく分かった。それはいい書評でした。こういうやり方は二度とできないですけど(笑)。井田:そうですね。禁じ手ですね。井上:二度とできない書評といえば、アメリカのグラウチョ・マルクスという喜劇役者が、『ニューヨーク・タイムズ』に書評を頼まれて、みんな期待していたら、3行くらいの書評が来た。『素晴らしい本である。私も暇があったら一度読んでみたい』。これは、売れたらしいですよ(笑)」。

ロナルド・ケスラーの『汝の父の罪―呪われたケネディ王朝』を巡って(この書は、J・F・ケネディの父、J・P・ケネディの一代記。「井上:権力と富と保身のために、いろんな人と駆け引きをしながら付き合いますね。・・・次から次へと人名が出てきて多少混乱しますが、その駆け引きの凄さには驚嘆します。松山:ツヴァイクの『ジョゼフ・フーシェ』も権謀術数の凄まじさを描いてますが、ケネディはもっと身近だからショックですよ。井上:こんなに圧倒されたのはもう何年ぶりだったか・・・。本堂に凄まじい本でした」。

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