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☆2020/3/18更新☆
ドキュメンタリー映画『ゆうやけ子どもクラブ!』(監督・製作/井手洋子、2019年、日本、112分)を観た。本作が対象にするのは、東京都小平市の「ゆうやけ子どもクラブ」だ。この映画が追う「ゆうやけ子どもクラブ」は、障害児が放課後や学校の長期休みなどを過ごす「放課後等デイサービス」の一つで、そこの子どもとスタッフ、家族を追う。1978年に、活動場所が欲しいという親の願いを基につくられた、放課後活動の草分け的な全国的な存在だ。
ここで、子ども(小学生から高校生まで)たちが放課後を送る。知的障害、発達障害、自閉症など、持っている障害はいろいろだが、遊びや生活を通して、子どもたちの内面の成長を促してきた。子どもはゆっくり成長し、スタッフは「寄り添い人」として、子どもを「伴走」する。笑顔がまぶしい。
自分の気持ちをうまく表現できないガク君。積み木に夢中になって子どもたちの輪になかなか入ることができないヒカリ君。音に敏感すぎるカンちゃんは、ずっと給湯室にこもっている。ツクちゃんは、スタッフの村岡真二さんと電話注文ごっこをするのが好きだ。ゆうやけに通うたびに注文用紙を作って持ってくる。
「もしもし、ドンキホーテですか?水風船とバルーン風船、水鉄砲とシャボン玉とおもちゃとラジカセと…ありますか?」。スタッフは子どもを全身で受け止める。カメラは、そんな彼らが変っていく過程を追いかける。子どもにとって大切なことは何かを考えられる。映画は、「障害者」と「健常者」という「壁」を取り払い、子どもを丹念に描く。“心のバリア”を取り払うきっかけになれば・・。
Smart Renewal History by The Room
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