編集長の毒吐録
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☆2020/3/24更新☆

【読書雑記622】『井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法』 (井上ひさし/著・いわさきちひろ/イラスト、講談社、952円+税)。主役は井上ひさし、と言いたいのだが、いわさきちひろの画が主役と言ってもおかしくない1冊。ひさしのやさしく「翻訳」した憲法とちひろのイラスト・・、二つが同時に愉しめる贅沢で類を見ない本。る

“平和憲法”の精神を示す「前文」と「第九条」を、ひさしが子どもにも読める言葉に「翻訳」した。それをベースに、ちひろの画と一緒に、憲法を楽しみの中で学べる。憲法の「肝」を学ぶ愉しみともいえるだろう。日本国憲法の根本にある考えを、重要な条文の内容、そして、なぜ憲法を変えてはいけないのかを、ひさしが、実際に小学生に話した内容を再録した。

「声を出して読んでください」と書かれている。子どもだけでなく大人にも読んでほしい。11歳で終戦を迎えたひさしは、まえがきでその時気持ちが書いている。さらに、自分と同じ年頃の子が感じた終戦、そして新しい憲法ができた時の誇らしい気持ちを述べる。絵は、新生児のみずみずしさ、若者の希望、熟年の柔らかさを持っていると描く。

著者は、憲法前文と9条で、戦争と武力を放棄を述べるが、それは、戦わずに生きることは剣より強い、と剣豪たちが晩年に悟るのと同じと言う。つづいて、前文を詩のような形に書き換えた言葉の中では、国民は、国会に送る代表を選び、「二度と戦をしないようにとしっかりことづけることにした」と言う。 9条をやさしくした文では、「よく考えぬかれたことばこそ、わたしたちほんとうの力なのだ」と訴える。

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