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☆2020/8/25更新☆
【読書雑記665】『芝居とその周辺』 (井上ひさし、岩波書店、2000円+税 )。井上ひさしは、<喜劇の一番の特徴は、反権力ということです>と語ったことがある。僕もそうだと思うし。ひさしはその通りの作品を残した。「言行一致」よろしく、彼の作品はそのようになっている。
戯曲の多くは、没後十年を経ても愛され続け、上演されている(残念ながら観ることはかなわないが・・)。本書は芝居をテーマに、初めて雑誌に掲載された論考から、ひさし作品の周辺、レッスンシリーズ、芝居の交友録、病床で綴った「絶筆ノート」まで、著書未収録のエッセイを選び抜いて収める。
ひさしには、新聞・雑誌等で好評を得ながら、まだ著書に収められて日いない作品が多数あるということが本書からも分かった(それも秀作が・・)。その中からエッセイを選び抜き、テーマ別の三冊に編まれた(僕はこれが2作目)。「鉱脈」から発掘された「お宝エッセイ」といべきか!「芝居」を切り口として、若き日の映画雑誌への投稿、同時代を生きる演劇人との交友、自作をめぐるエッセイなどを収録、レッスンシリーズからは、シェイクスピア、チェーホフをどう読むか、喜劇とは何かを考えさせる、ひさしの「演劇観」が浮かび上がる。
Smart Renewal History by The Room
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