編集長の毒吐録
<<前のページ

☆2020/8/27更新☆

<きのうを振り返りあしたを見晴るかす14>【羊年うまれ】 加藤周一は1919年の羊年生まれ、彼に『羊の歌』『続・羊の歌』(いずれも岩波新書)があります。加藤は自分で自分のことを、<羊の歳に生まれた、平均に近い日本人>と書いています。この本は、生まれてから60年安保までの「自伝」、あるいは「自伝文學」といえるでしょう。両著は著者自身の心の動き、考えを描き、社会の変化を描いて秀逸、かつ文章も無駄なく、深く考えさせてくれます。

<私は広島を見たときに、将来の核兵器については何も考えていなかった。後になって、核兵器についても考えるようになったが、そういう私自身の考えと、広島の人々を沈黙させた経験との間に横たわる遥かに遠い距離を、私はいつもくり返し想い出したのである><私は血液学の専門家から文学の専門家になったのではない。専門の領域を変えたのではなく、専門化を廃したのである。そしてひそかに非専門化の専門家になろうと志していた>。自分の興味あることは詳しいのですが(専門分野)、それ以外のことになると戯言の類を述べ立てます。原発問題でも沖縄問題でも、「領土問題」でも今のことです。

<どんな人間でも悪魔ではないのだから、私は死刑に反対し、戦争はどんな人間でも悪魔にするのだから、私は戦争に反対する><『われわれは何も知らされていなかった』という国民は、みずからもっとも自由だと信じていたとき、もっとも不自由であった>。

Smart Renewal History by The Room

閉じる

First drafted 1.5.2001 Copy right(c)福祉広場
このホームページの文章・画像の無断転載は固くお断りします。
Site created by HAL PROMOTIN INC