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☆2020/9/12更新☆
『帝銀事件と日本の秘密戦』(山田朗、新日本出版社)の書評を受けて(4回連載。❹)。731部隊の所業は「合唱」とは縁遠いと思っていた。告発一辺倒の曲になっているものと思っていた。ところが歌ってみるとそうではないことがわかった。柔らかい歌詞、包み込むようなメロディー、さすが森村誠一であり池辺晋一郎だ。最終章は、次のように締めくくられている。
♪君よ 歌を歌おう/731の記憶を歌わなければならない/ささやくだけではいけない/暗い時間におおわれてはならない/私たち人間なのだから 犯した罪を忘れぬため/だから高く語ろう/だから高く歌おう//未来のために/未来のために/未来のために/君よ目を凝らしたまえ/目を背けたくても 背けてはならない/目を凝らしたまえ/私たちは信じよう 人間の英知と良心を/科学を悪魔に渡してはならない/人間の英知が破れぬため 私たちは力を合わせよう/一人になってはならない 一人にならないために/私たちは集まろう♪
2つの公演と731部隊跡地への訪問をメインとして、日本軍の侵略跡地を見て回った。どこでも被害者の話を聞くことができた。宿から抜け出して、日本語の通じない、小さい飲み屋で、漢字を共通のグッズとして意思疎通も図った。僕が接した限り、731部隊のことをクリアに記憶している人には出会わなかった。
21世紀初頭には、731部隊跡地を世界遺産に登録しようとの試みがあった。合唱組曲「悪魔の飽食」も呼びかけているように、“未来のために” “背けてはならない”のであって、“私たちは集まろう”。731部隊跡地の世界遺産登録に向けて“私たちは力を合わせよう”!(❹終わり。連載終わり)
Smart Renewal History by The Room
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