編集長の毒吐録
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☆2020/10/2更新☆

【読書雑記674】『岩波新書解説総目録』(岩波新書編集部、岩波新書、1000円+税)。1938年に創刊された岩波新書は、以来3400点あまりを刊行した。本書は、初めて編まれた総目録。1938年〜1946年の赤版、1949年〜1977年の青版1979年〜1987年の黄版、1988から現在までの新赤版は、僕の「同時代史」だった。

本書は、2019年12月までに刊行された岩波新書の書名・著訳編者名を刊行順に網羅するとともに、その内容解説文を掲載している。「現代人の現代的教養」を謳い文句に創刊された岩波新書は、いわば「知のアーカイブ」だった。

本文628ページ、索引88ページもある分厚い新書だ。現代人に基礎的な教養を身に付けるける新書も、現在では、岩波書店以外でも講談社、新潮社、文藝春秋社などの大手出版社は同じような考えでシリーズ化しているが、出版社で取り上げる内容、著者などは違っていく。本書には創刊時からの紹介文が並べられているが、これはそれほどには時代の流れを映し出しはしない。今も書店に並ぶ『零の発見』は39年、『知的生産の技術』は69年、2011年の『感染症と文明』、19年の『独ソ戦』・・思わず解説文を読み回想に耽った。刊行の辞は、教養について語る。戦後の再出発時には「在来の独善的装飾的教養を洗いおとし」と言う。戦時の45年には一冊も刊行できなかった。

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