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☆2020/10/17更新☆
末川博(1892年〜1977)は、民法学者で、京都帝国大学教授を経て戦後、立命館大学学長・立命館総長を歴任した。立命館大学の構内には、「未来を信じ 未来に生きる」と刻まれた碑がある。1933年に京都帝国大学で発生した思想弾圧事件を、僕らは「滝川事件」(京大事件)と呼んでいる。35年の美濃部達吉の事件後(天皇機関説が右翼に問題にされ、美濃部は貴族院議員を追われた)の2つの事件を経て、日本の戦争政策は加速した。
京都帝国大学法学部の瀧川幸辰教授が、1932年10月中央大学法学部で行った講演「『復活』を通して見たるトルストイの刑法観」が、無政府主義的であるとして文部省および司法省内で問題にされた。1933年の「司法官赤化事件」をきっかけに、司法官赤化の元凶として帝国大学法学部の「赤化教授」の追放を主張、司法試験委員であった瀧川は非難された。33年、鳩山一郎文相は京大総長に瀧川の罷免を要求、文部省は瀧川の休職処分を強行した。末川を含む教官は、辞表を提出して抗議の意思を示した。
辞表を出した教官6人(末川博ら)は免官になった。末川は「この事件は瀧川個人に加えられた弾圧ではなく、日本の学問の自由と大学自治に加えられた弾圧だったから京大事件と呼ぶべきだ」と言っている。
政府による日本学術会議の6氏の任命拒否事件の1人は松宮孝明立命館大学教授だが、教授会や大学当局の声明と言った、大学からは抗議の意思が表明されていない。それどころか、フジテレビの平井文夫上席解説委員は同局の番組で、政府の任命拒否で注目されている日本学術会議に関して「6年ここで働いたらその後学士院というところに行って、年間250万円年金がもらえる」などというフェイク発言をしている(番組側は10月6日の放送で「誤った印象を与えるものになりました」などと訂正したが・・)。この解説委員は立命館大学の経済学部の教授にこの4月から兼務している。嗚呼!
!一方、20日(火、午後6時30分〜、キャンパスプラザ)に、松宮孝明教授も参加して、政府の暴挙に異を唱える集会が予定されるなどの反撃も始まっている。
Smart Renewal History by The Room
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