編集長の毒吐録
<<前のページ

☆2020/11/8更新☆

【読書雑記685】『未完の時代 1960年代の記録』 (平田勝、花伝社、1800円+税)。著者の、東大闘争を中心とするルポ(東大生であった著者は、全寮連委員長、全学連委員長も務めた。僕も言葉を交わしたこともある)。僕が想像だにしなかった出来事も書かれており興味深く読むことが出来た。また、日本共産党籍を失った経緯と心模様も書かれている。

僕は、著者より後の世代ではあるが、広い意味では“同時代”を生きて来た。そういう意味での”同時代史”ではあった。京都にいたので、東大闘争の“渦中”ではなかったが、「時代の空気」を一緒に吸った。だから、ここで書かれている事柄は理解できる。

著者は「新日和見主義事件」がなかったなら、学生運動や民青はもっと発展していたという見解のようだが、そうではないだろう。その後のソ連・東欧での“社会主義政権”の崩壊あ前夜に示されるなどの“現実”が、日本にも反映した結果と言う面もあった。「新日和見主義問題」があっても無くても、学生運動や青年運動は衰退の方向に向かっただろう。客観的に自分が参加してきた運動を反省も込めて描き、運動にも積極的な問題提起をしている。異なった意見を持つ者が「リスペクト」しあってこそ、日本の民主運動は前に進めると訴えている。

Smart Renewal History by The Room

閉じる

First drafted 1.5.2001 Copy right(c)福祉広場
このホームページの文章・画像の無断転載は固くお断りします。
Site created by HAL PROMOTIN INC