編集長の毒吐録
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☆2020/11/27更新☆

【読書雑記691】『「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて』(大沼保昭/著、江川紹子/ 聞き手、中公新書、840円+税)。歴史認識の違いが、日中、日韓両国の間に横たわっている。「加害(国)=日本」と「被害(国)=中国、韓国」の間には、歴史認式の差が横たわり、そのことを原因として、しばしばトラブルになる。なぜ過去をめぐる認識に違いが生れるのだろうか。著者は、「韓国併合」、「満洲事変」、「東京裁判」、「日韓基本条約」、「日中国交正常化」、「慰安婦問題」などの歴史認識の違いに言及する。

著者は「歴史認識」という語が、日中・日韓の問題に使われている現在を踏まえ、聞き手の江川紹子さんとの対談形式でいくらかの点を明らかにしようとした。東京裁判、サンフランシスコ条約、慰安婦問題、靖国問題などだ。

著者は現状肯定派なのだろうか。多数の人は、日本に非がなかったとは言えないと考えるだろう。当時は世界大戦の様な戦争を裁く国際法がなかったとして、9割近くの国際法学者が東京裁判の結果に賛同していると言っても、それは現実容認に過ぎない。「昭和天皇の戦争責任を問わなかったのは何故か?」という江川さんの質問は鋭い。本書に「真摯に謝り、精一杯の誠意を示した」とあるが、謝る方の日本人が自画自賛することは間違いではないか。

「真摯に謝ってくれた、精一杯の誠意を示してくれた」と感じるかどうかは、韓国人にゆだねられなければならない。著者は、「村山談話」が評価されなかったのは韓国メディアのせいとしているが、本当にそうか。「償い金と手紙の本質」(それと日本の首相と保守政治家の歴史観)が分かって評価しなかったという人も多いのではないか。

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