編集長の毒吐録
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☆2020/12/24更新☆

【『「連れ合い」と「相方」―「介助される側」と「介助する側」』(井上吉郎・池添素、ウインかもがわ<〒602-8119 京都市上京区出水通堀川西入亀屋町 321 TEL075-432-3455  FAX075-882-8053 メール saito@win-k.co.jp>、1200円+税)普及の記⓰】 本を読んでの感想です。

<60歳で発症した脳幹梗塞で、右片麻痺、嚥下障害、構音障害を生じた井上吉郎氏が、胃瘻で必要な栄養を取り、口からは美味しい物を味わい、車椅子やパートナーである「連れ合い」の肩を借りて歩く。
発症する前に3回の京都市長選挙に挑んだ著者は、障害後も韓国、沖縄へ障害者会議、平和の旅へ。2013年に特定秘密保護法が可決された後、毎週7:45-9:00北野白梅町で車椅子で行う「無言宣伝」は一人で始め、今では多数の人を交えて行われている。大学での講義や集会での講演にも積極的に取り組んでいる。
「連れ合い」は吉郎氏を「相方」と呼び、介護する側の視点で共著者として、その苦労や制度の不足などを指摘している。障害児・障害者を対象にした仕事をしてきても、当初「相方」が、自分の描く障害者像と異なり弱音を吐く姿にガッカリしていたと書いているが、その後は介護と自らの仕事を見事に両立させており、吉郎氏と一緒に社会進歩に向けて活動を続けている。
アクティブな吉郎氏でも、発症2ヶ月時点で自死を図ったという記載には驚いたが…その後の積極的な姿勢は病前の生き方を貫いている。>

<チラシで表紙を見ていたので、いただいた本の裏を見て「おー、そういうことかぁ」というのが第一印象です。北山杉編集の打ち合わせで初めて出会った時、井上さんは受傷した後だったので、それ以前と脳幹梗塞で倒れた時のことは今まであまり知りませんでした。記事等で断片的に読んでいた井上さんのこれまでを本を通して知り、また新たな面を発見しました。全障研で一緒の池添さんは仕事熱心な“大御所”という印象でしたが、「連れ合い」の立場で実際はいろいろな思いを抱えていたのだなぁと思いました。初めて知った井上さんの料理上手、池添さんのニューヨーク暮らしは、「へぇ〜」と意外でした。

井上さんが一人でシャワーを浴びられるようになったことは、以前に読んだことがあるのですが、“連れ合いへの僕のバースデープレゼント”というのが、やっぱりすごいと思います。人が人を想うって、そういうことなんやなぁとしみじみと感じました。同じように、「私の幸せはいったいどんなことなんだろうか。きっと自分に引き付けてではなく、誰かのために役立っていることが幸せなのではと思う。」という池添さんの文章も、静かな衝撃でした。

何より、入籍して半年後の脳梗塞。それからの激動の生活は、自分はどちらの立場でも正直つらいだろうし、自分ならどうなるかなぁと想像しながら読み進めました。介助される側、介助する側、そして専門家の立場からと、自分も一緒に考えをめぐらした一冊です。いろいろな出来事や感情も含めて、本音に圧倒されました。

個人的には、川崎医科大学付属病院のお見舞いメールで「井上吉郎(いのうえよしお)」とあって、「え?!今まで名前間違ってた!!」と焦りました。慌てて著者プロフィールのページをめくり「いのうえきちろう」とあるのを確認して、「間違いではなかったみたいやな」とほっとして続きを読みました>

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