編集長の毒吐録
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☆2021/1/6更新☆

                       ≪読書新世≫❶

『99歳一日一言』(むのたけじ、岩波新書)で著者は、365日分の短文で自分と歴史、世の中の仕組みを語っている。その日の「格言」ではなく、著者の自説が自由にちりばめられている。その言説は、「連帯」の勧めであり、屈しない生き方の提示であり、生きることと死ぬことへの「賛歌」といえようか。読んでいて楽しくなった。
 1月5日「一人で歴史は作れない。と同時に、その一人がいたから歴史が始まって進んだこともある。ひとり、一人、ヒトリの力。人間一人の存在、その力を軽蔑する者は、自分の人生の岐路で自分に裏切られる」。
 9月9日「『戦争のない社会の実現』という合言葉は2つの目標を内蔵せねばならぬ。『戦争を必要としない社会の実現』『どんな勢力が出現し戦争をやろうとしてもやることのできない社会の実現』」。
 12月19日「たった1回きりだ。自分の死を自分で大切にしようよ」。

『加藤周一 最終講義』(加藤周一、かもがわ出版)は、「最後の講義」をまとめたもの。加藤の語りには、彼独特の「脱線」があるが、この4点はその「脱線の妙」を遺憾なく示している。『日本霊異記』とマルクス主義を語るとか、法然、親鸞と『資本論』を同時に論じるとか・・。魅力一杯の著作。 
 <マルクス主義が豊富で鋭いのは資本主義社会の分析です。いま日本社会は、市場経済万能論と民営化論で、ある意味でだんだん純粋資本主義に近くなってきているでしょう。それを理解するためにマルクス主義は非常に有効ですよ>
 <厳密に言えば、科学的命題とは、これは間違っているということのできるような命題の一種なんです。すべてこれは間違いであると言うことのできる命題の集合は科学的命題の集合であるとは言えないけれど、科学的命題というのはすべて、それは間違っているということを、観察できる事実によって言えるような命題の集合です>

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