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☆2021/1/5更新☆
【読書雑記701】『たのしい知識―ぼくらの天皇(憲法)・汝の隣人・コロナの時代』(高橋源一郎、朝日新書、890円+税)。著者は、「私塾」で使う、自前の「教科書」をつくった。恐らく従来の「教科書」(書物)では、著者の考えを講じるには不十分(不満足)と考えたのだろう。本書はそのシリーズの第1作というところだ。明仁天皇のビデオメッセージと9条の関係、「韓国・朝鮮」への旅では「宗主国」と「植民地」の関係を書き物に求め、ウイルスの災禍をデフォー、カミュ、スペイン風邪から説き起こす。政治や社会の無視できない問題を深くとらえる。著者はこうした「教科書」を構想してきた。
●ぼくらの天皇(憲法)なんだぜ/「天皇」ってなんだ「?/憲法」ってなんだ?/わからないから世界の「憲法」をまとめて読んでみた/9条の「秘密」/ぼくたちには新しい「憲法」が必要なんだ//●汝の隣人/ぼくたちの知らない隣人たち「/韓国・朝鮮」への長い旅、の始まり/ふたつの国の「あいだ」で書かれたことば「/宗主国」の作家の哀しみ、「植民地」の人たちの苦しみ/微かな声、見たことのない風景//●コロナの時代を生きるには/「コロナの時代」について考えるためには/ぼくらが「それ」をほんとうに知るためにはどうしたらいいんだろう/歴史を遡る「/地に足を着けたままで」考える/死の影の下で/終焉、忘却、記憶、ことば「/死の都」に一人で留まる
本書は、憲法と天皇、天皇制、宗主国・日本と植民地。韓国との関係、パンデミックの起源など多岐にわたる。しかしながら、著者の筆致は軽やかで、読み難さがない。著者の「教育方針」らしく答えは書いていない。自分で考えること、知ること大切ということだろう。あるいは、新知見にも驚く。感染症が第一次大戦を終わらせ、第二次大戦を引き起こしたとなどはその例だ。憲法には天皇の役割は書いてあるが、権利が見当たらない。
「そして、ぼくはこう思った。天皇より真剣に、憲法を読んでいる人間はこの世にいないんじゃないだろうかなって、だって、自分の役割を書いてある文章があって、それが、この国の「原理」にあたる文章の中にあるっていうんだ。どんな気持ちなんだろう。ぼくなら、グレるかもしれない」
Smart Renewal History by The Room
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