|
<<前のページ
☆2021/2/4更新☆
≪読書新世≫❷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・ ●『幕末維新変革史』(宮地正人、岩波書店、、)は、「幕末維新変革は日本の民族的まとまりの形成(=日本人意識の成立)を前提とし、サムライ階級のうちの軍事改革派、人民最上層の豪農商層、そして一般人民の広域的な反封建闘争の複雑な絡まりあいの中で進行し、幕府倒壊という巨大な政治変革を引きおこした」と書く。変革の過程を世界情勢からもとらえ、ペリー来航以来の不平等条約体制からの脱却と考えるなど、従属日本を考える上で避けては通れない好著。 僕の目を引きつけたのは「第32章「夜明け前」の世界と竹村(松尾)多津子」。藤村の『夜明け前』はサムライを主人公に据えることなく、維新史を活写した「歴史文学」とも言えようか。<幕末維新の政治的社会的変革をその総体で捉えられる場は、今日までのところ、これ以上の場はない>
●『作曲家・吉田隆子 書いて、恋して、闊歩して』(辻浩美、教育史料出版会)は、作曲家・吉田隆子(1910年〜1956)の評伝ともいうべき本。隆子は、戦前から戦後に活躍した作曲家という平板な紹介では終わらない人、弾圧と闘い、音楽をいちずに追い求めた。生誕100年を記念するコンサートでは『君死にたまうことなかれ』(歌曲)、『カノ―ネ』(ピアノ曲)、『ヴァイオリン・ソナタ』、『ソナチネ』(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)などが演奏されている。 <1940年1月24日、隆子は治安維持法違反容疑という名目で逮捕・・4度目の拘留・・寒さと飢えは身に応え・・5カ月後の6月10日、慢性腹膜炎によって・・帰宅が許された><放送の音楽は、丁度、節穴から漏れてくる一筋の外光にも似ていた。いいものも悪いものも、面白いものもつまらないものも、みんな聴いた。聴いた><隆子は、新しい時代を求める人間的で、しかも芸術的な歌曲を、民族の底に流れる音楽的情感を生かして作りたいと願っていた・・「与謝野晶子の『君死にたまうことなかれ』の作曲を」と思い立った>
Smart Renewal History by The Room
|