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☆2021/2/19更新☆
【読書雑記713】『夢・ねがいから出発して 麦の芽が拓く”ゆりかごから墓場まで”』(黒川久美・麦の芽福祉会教育研修センター、全国障害者問題研究会出版部、1200円+税)は、鹿児島県の麦の芽福祉会という名の「福祉総合事業体」とも言うべき、障害を抱えた人々を中心とする集団を紹介する書物だ。障害者作業所運動から出発したこの組織は、40年近く経った今日では、その点を原点に、ヨコ(地域的に広げかつ事業を多面化した)とタテ(生まれてから死ぬまでを事業化した)に広げた。好著。
療育施設、保育施設、障害者の相談の部屋、デイサービス、介護タクシー、グループホーム、パン焼きや銭湯などの働く場、放課後の学童保育、一人暮らしが可能な住まいの場、リタイアー後の高齢者施設、「協同・共同の碑」などなど・・、人生全体をカバーする施設を持っている。診療所構想も実現した。生れてから死後まで(ゆりかごからお葬式、お墓まで)麦の芽福祉会の機能はカバーしている。
麦の芽福祉会は2つの源流を持つ。一つは障害者の働く場づくりをめざす「麦の芽作業所」であり、もう一つは障害のある子どもを相手とする「療育事業」だった。「療育」という言葉さえ一般的でなかった1970年代末から80年代初頭にかけて、鹿児島の地で、「どの子も発達する」「どんなに障害が重くても発達する権利がある」という考えだ。障害のある人の「ゆりかごから墓場まで」をカバーする麦の芽の実践をつらぬいているのは「発達」概念であり、「事業を運動として取り組む」ことだった。
T 麦の芽のはじまり//1 協同・共同の力で創造する福祉事業とは/2 ともに闘う“同志”として−西前マリ子さんと麦の芽の35年/3 生活・労働の主人公として生きる−乳幼児期に根っこの力が育まれて/コラム@ 家族会連合会//U 麦の芽の現場から//4 インクルーシブな社会づくり−療育の場からの発信/5 青春を謳歌してゆっくり・じっくり自分づくり−福祉事業型専攻科・大学の初年度のとりくみ/6 “自分らしく生きたい”−なかまの伴走者として/コラムA なかま連合会//V 地域を拓く実践//7 離島・甑島に共同作業所トンボロの風が吹く時//8 対話でつながる地域づくり −「広報」をとおして//9 当事者の要求やねがいを形にし続ける薩摩川内地域のとりくみ//W 新たな地平へ//10 むぎのめアートシーン二景−自分らしく文化を創る//11 学びの拠点 −教育研修センターのいまのこだわり//12 エンディングセンター−実践から見えてきた“生きる”ということ//13 麦の芽はなぜ福祉生協をめざすのか−福祉運動の新たな地平を拓く//コラムB 西前マリ子“同志”を心に迎えて/麦の芽福祉会のあゆみ/麦の芽55の事業/おわりに
Smart Renewal History by The Room
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