編集長の毒吐録
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☆2021/3/13更新☆

京都御苑(ぎょえん)の北側の承天閣(じょうてんかく)美術館でやっている『梅の余薫―禅と日本文化/相国寺の歴史と寺宝―相国寺創建から近代』(〜4月18日)を観てきました。違う企画を一緒にしたという珍しい展覧会です。一つは、この季節に合わせ、創作に欠かせない題材としての梅の花に焦点をあてたものであり、もう一つは、山外塔頭(さんがいたっちゅう)の鹿苑寺(ろくおんじ、金閣)や慈照寺(銀閣)も加えて寺の歴史を寺宝からたどるという贅沢な企画です。

 「万葉集」のころから愛でられている梅は平安時代以降、その人気を桜に譲りますが、禅の世界では依然として大切な題材だったようです。梅は冬の寒さに別れを告げ、いち早く春の訪れを告げる花です。だからこそ、相国寺などの多くの禅僧は思いを寄せてその姿を描き詠んだのでしょう。慈照寺の「墨梅図」は、濃淡が複雑で、水墨画ならではのものでした。墨だけの筆ですが、色彩をつけ描き分けた仕事に驚きました。

 室町後期の画僧・雪村周継が描いた花鳥図は、花弁もまだ十分に開かない枝にモズが止まり、早春の寒さにじっと耐えているかのようです。シンプルかつ清楚(せいそ)な作品でした。長谷川等伯の「探梅騎驢図屏風」、狩野探幽の「探幽縮図」などに、近世に受け継がれた梅を観ることができました。

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