編集長の毒吐録
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☆2021/3/26更新☆

【読書雑記722】『私たちは津久井やまゆり園事件の「何」を裁くべきか 美帆さん智子さんと、甲Zさんを世の光に!』(堀利和、社会評論社、2000円+税)。元施設職員によって45人が殺傷された「津久井やまゆり園事件」は、2016年7月26日に起きた。この事件の公判が横浜地裁であり、2020年3月16日に死刑判決が下され、犯人も控訴せず、死刑判決が確定した。本書は、なぜ事件が引きこされたのか、それはどのような影響を社会に与えたのか、事件によって顕在化したさまざまな問題を放置して、被告を裁きさえすればすべて解決するのか。裁判過程を追い、事件そのものと多くの人に潜む「優生思想」、社会に蔓延する「差別構造」にも光を当て考える。


第T部 津久井やまゆり園事件は今なお語り続ける/第1章 重度知的障害者の生きる場さがしの人間模様/津久井やまゆり園事件を考える相模原集会/第2章 父親たちは語るなぜ施設を望むのか、あるいは望まないのか/第3章 地域生活にこだわる母親たちは語る/第4章 退所後に始まる新しい生活//第U部 津久井やまゆり園事件の「何」を裁くべきか/第5章 相模原殺傷事件の本質を検証/ドキュメンタリー上映会&トーク/第6章 記者の目/第7章 私たちは津久井やまゆり園事件の「何」を裁くべきか!/第8章 黒岩神奈川県知事の決断/終章 確信犯としての歪んだ正義感と使命感の「思想」を斬る!
僕らは、≪相模原殺傷事件から〇年―なにが問題か?あなたはどうする?≫と過去6回に亘って議論し考え続けた。<相模原殺傷事件の容疑者は「障害者は不幸を引き起こす」「生きる値打ちがない障害者」などと決めつけ、社会からの抹殺、排除を狙い、犯行を引き起こしました。ここには、「医療」や「いのち」も「商品」としてとらえる考えが底に流れていて、「美しい死」を賛美する「思想」があります。私たちは、「美しい死」のためではなく、「納得できる生」を求めてきましたし、そのために、社会保障充実の道を選びました。「役に立つ」「役立たない」で選んではならないのではないでしょうか。/犯行は戦後史を画する悪質なものにも関わらず、蛮行を糾弾し、犠牲者を悼み、国民に困難を乗り切ろうと呼びかける総理大臣の言明はありません。事件が社会のありようにかかわり、社会が暴力で破壊されているいま、国民的議論が求められています。そこで私たちは、事件の底流にあるもの、事件の本質、事件から引きだすべき教訓、事件への私たちの向きあい方などを議論し考えたいと考えました>が、僕らの問題意識だった。

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