編集長の毒吐録
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☆2021/4/8更新☆

自宅の近くに小さな和菓子屋さんがあります。ガラスの窓ごしにお菓子をみつめ探す仕組みのこの店には、品数に限りがあります。お干菓子で目立つのは、色付きのゼリー菓子です。生菓子は春夏秋冬を示したものです。若いご主人に京都の伝統を受継いで欲しいと念じています。ご主人もそのような考えです。

京都、いや全国の和菓子と言えば、川端道喜(かわばたどうき)の数々のそれであり、僕が第15代御粽司(おんちまきし)川端道喜と交流から感じたのは、彼が一級の和菓子職人であり、と同時に彼は文の人だったということです。彼は知の人でありかつ情の人であり、また彼は、保守の人であり革新の人でした。

彼には『酒帘』(しゅれん)と『和菓子の京都』(岩波新書)の本がありますが、特に後者の本は30年を越えるロングセラーです。この本は、京都の和菓子の歴史を川端道喜のそれをなぞることで明らかにした必携の書です。同時にこの書は京都の歴史を描いています。筆者は「私は、この長年にわたって築きあげた京都文化を、風流韻事を知らずに目先のことだけで勝手にいじられては困ると心底思っている」との思いに支えられて書いたと述懐しています。

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