編集長の毒吐録
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☆2019/3/9更新☆

【読書雑記518】『ある若き死刑囚の生涯』 (加賀乙彦、ちくまプリマー新書、 840円+税)。キリスト教の信者として、あるいは歌人として、生と向き合い死に直面した死刑囚(1968年の横須賀線爆破事件の犯人)純多摩良樹の後半生を、資料を元に描いた。自らの罪を見つめ、罰を引き受けるとはどういうことか、死と死刑を受け入れ、生きることはどういうことか。横須賀線爆破事件の犯人で死刑囚の姿を描き出す。

「あとがき」に、<人間に襲いかかる事故・病い・殺人・寿命は、おのれが選ぶにあらずして>とあるが、重い問いかけに満ちた本だ。須賀線爆破事件の犯人についての評伝ともいうべき本。日記や手紙をもとに話が進む。興味深いのは、死刑が確定した後、信仰を得ていく過程だ。贈られた聖書を読み始めたことでイエスへの信仰を深めていくが、それまで縁の無かった人が急激にキリスト教徒になる様子(さま)を読者(僕も)は不思議に思うだろう。獄中で始めたという短歌は、この人にしか詠めない作品だった。

1 横須賀線爆破事件/2 罪と罰/3 刑場と獄窓/4 文鳥/5 歌人という希望/6 洗礼/7 神よ憐れみたまえ/8 惑乱の日々/9 天国と地獄。

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