編集長の毒吐録
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☆2019/3/16更新☆

【読書雑記521】『加藤周一 青春と戦争『青春ノート』を読む』(渡辺考・ 鷲巣力/著、論創社、2000円+税)。発見された加藤周一の「青春ノート」は、17歳の1937年から42年の開戦に至るまでの時代を背景に書かれた未公開の8冊のノート。立命館大学加藤周一現代思想研究センター長の鷲巣力とNHKのディレクター渡辺考が、「青春ノート」を学生たちに読ませるというドキュメンタリー番組を作った。本書はその記録。

『加藤周一を読む』、『「加藤周一」という生き方』などの著書がある鷲巣力と、『戦場で書く~火野葦平と従軍作家たち』、『自らの言葉で立つ~思想家・吉本隆明」(NHK・戦後史証言プロジェクト)などの番組をつくり、そのいくつかを書籍化している渡辺考が、このドキュメンタリーに基づいて、加藤にとっての戦争、そして著作との関係を含めて、加藤の思考の軌跡を問うた本。

「青春ノート」には、『羊の歌』では描かれなかったことも含まれ、加藤の「青春時代」の日々の思索が刻まれている。ノート全体が極めて整然と書かれているので「だれかにいつか見せようと思って」いたのではという指摘、コンサートに一人で足を運んだ記述を取り上げながら、加藤の訴える「孤独」「寂しさ」に関した考察。

さらに「己が芸術の才至らざるを知った」という詩の一節を取り上げ、加藤自身の創作に対する自己評価など、学生を含む若い世代の意見 が興味深い。学生の1人は「歴史は繰り返すのは、”人の弱さ”かもしれないけど、それを乗り越えることがあるとすれば”人の力”かもしれないと思う。そのように生きる力は、”人をつなぐ”ことだと思う」と述べる。

<私は戦争で2人の親友を失った。もし彼らが生きていたならば、日本が再び戦争の道へといくことを許しはしない。私は親友を裏切りたくない。憲法9条には親友の願いが込められている>とは加藤の述懐。

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