編集長の毒吐録
<<前のページ

☆2019/5/23更新☆

狭い道が走るまち。道幅は2m強、まっすぐの道に織機の音が響くまち。京都市上京区(かみぎょうく)は、西陣織で名高い行政区、東は鴨川、西は紙屋川に挟まれ、京都御苑や同志社大学がありお茶の本拠がある。その西陣は、西陣織の本場、往時は各戸から「ガチャン」「ガチャン」の機織りの音が響くまちだった。西陣が栄えていたとき、飲み屋も映画館も、そして道も賑わっていた。陽が落ちるころ、西陣の旦那衆も小僧も酒を求め、娯楽を楽しみ、女を抱くためにまちへ繰り出した。

作家・水上勉に、金閣寺炎上を主題にした『五番町夕霧楼』という作品があるが、その主人公は西陣の一角にある遊郭に働く女性だ。<遊廓のとば口ともいえる場所なので、遊興に出かける労働者だとか、丁稚ふぜいの男らが、夕刻すぎから四、五人、いつも、表に背を向け、坂椅子に腰をかけていた。私はここでコップ一杯の酒をのんで、ふらふら歩きで天神前に出、白梅町をすぎ、等持院へ走り帰った>と彼は書いている。

<旅人は一筋の道を歩くなり/他の道は美しくもあり立派でもあるが/彼は自分に許された一筋の道を歩くなり。//その道を歩けば/何処にゆくか彼はしらぬなり/されど歩くなり/その道のみ/彼に許された道なり。//淋しくても歩くなり/こつこつと歩くなり/つまらぬ道と他人は言えども/彼はその道を愛して/こつこつと歩くなり。//平凡な道なれども/その味わいは限りなしと思うなり/いくらでも見あきぬ道なり/彼は感謝しつつその道を歩くなり。//自分にも歩ける道/自分に相当した道/自分に許された道/謙遜な気持ちで/彼はその道を歩くなり。//彼は倒れる迄歩くなり>(「一筋の道を歩くなり」・武者小路実篤)

Smart Renewal History by The Room

閉じる

First drafted 1.5.2001 Copy right(c)福祉広場
このホームページの文章・画像の無断転載は固くお断りします。
Site created by HAL PROMOTIN INC