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☆2019/6/28更新☆
【読書雑記548】『作家との遭遇 全作家論』(沢木耕太郎、新潮社、1800円+税)。著者が23人の作家を描く。沢木は、書物の中で、あるいは酒場で出会いをしてきた。書いた作家は以下の通り。井上ひさし、山本周五郎、田辺聖子、向田邦子、塩野七生、山口瞳、色川武大、吉村昭、近藤紘一、柴田錬三郎、阿部昭、金子光晴、土門拳、高峰秀子、吉行淳之介、檀一雄、小林秀雄、瀬戸内寂聴、山田風太郎・・カミュ(卒論「アルベール・カミュの世界」を収録)。
著者はタイトルを〈最後まで『作家との遭遇』にしようか『境界線上の作家たち』にしようか迷っていた〉と書いている。〈なぜ彼らだったのか。それもまた一種の偶然だったが、ただ、彼らの多くは、私と似て、どこか「境界線上」に身を置いている作家であったような気がする〉からだと言っている。
実際、取り上げられている「作家」の中には、明らかに境界をまたいでいる写真家の土門拳や女優の高峰秀子もいるし、また、ヴェトナム戦争を、〈まずそれを「記事」というかたちで新聞に書いた。さらに、それよりもう少し掘り下げたかたちで「ルポ」を書いた。戦争が終わり人々がヴェトナムを忘れようとしている時に、新しい現実を踏まえながら「評論」を書いた。
また、その対象への角度と語り口の硬度を変えて「エッセイ」というかたちにもした。それはやがて、「創作」というかたちでの文章にまで到ることになったのだ。ひとつの体験をこのように多様なスタイルの文章にした物書きは滅多にいない。少なくとも、ヴェトナム戦争に関しては、このような日本人は皆無だった〉と著者は言う。
Smart Renewal History by The Room
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