編集長の毒吐録
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☆2019/7/26更新☆

<相模原市障害者施設での殺傷事件3年目の日に>【読書雑記556】『開けられたパンドラの箱 やまゆり園障害者殺傷事件』(月刊『創』編集部/編 著、創出版、1500円+税)。2016年7月26日未明の神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」での殺傷事件は、忘れられつつあるようにも見える。

重大で深刻な事態に直面し、それが二度と起こらないようこの社会は対応を迫られたはずなのに・・。このままでいいのだろうか。本書は植松聖被告や事件の被害者など様々な関係者への取材をもとに改めて問題提起をしたもの。

植松被告の発言や事件前後の詳細が初めてまとまった形で提示されたためにその部分ばかりが話題になっているが、それだけでなく被害者家族や障害者などの発言が印象的。厚労省の検証チームのメンバーでもある精神科医の分析も載っている。深刻な問題があるのにも関わらず、これに対応できないこの社会の状況について考えさせられる。

植松聖被告の主張は一部にすぎず、大半は彼の言動を分析するものとなっている。事件を起こす前に衆院議長公邸を訪れ犯罪予告状を渡した時点で、植松を措置入院させてしまったことが、事件の引き金になったのではないかという精神科医・斎藤環氏の指摘が興味深い。雑誌(『創』)では割愛されたカットを含め30ページ余に及ぶ被告のストーリー漫画と主張している「七つの項目」も掲載されたことで今までの疑問点も少なくなった。

精神科医同士である香山リカと松本俊彦は対談で、被告が「自己愛性パーソナリティ障害」だという診断する。裁判員裁判の争点になると予想される被告の責任能力の有無が分かれ目になるのだろう。

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