編集長の毒吐録
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☆2019/8/1更新☆

【読書雑記557】『日本ナショナリズムの歴史 I  「神国思想」の展開と明治維新』(梅田正己、高文研、2800円+税)。全4冊のシリーズの第1巻。「神話史観」にもとづく日本「神国」ナショナリズムは、アジア太平洋戦争での敗戦とともに消滅したはずだった。
ところが戦後、著者が言うところの「日本ナショナリズム」はよみがえり、今や「憲法改正」までが日程に登るまでになった。なぜこうなってしまったのかをシリーズで問う。好著。

著者が言う「神国思想」は、例えば、2000年5月、神道政治連盟国会議員懇談会において森喜朗首相は「日本の国は、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知して戴く、そのために我々、神政連関係議員は頑張って来た」と発言したことのも現れている。神である天皇が臣民としての人々を支配する国が日本だというのだ。

著者が、「日本ナショナリズム」の源流として設定したのが、18世紀後半に活動した本居宣長だ。『古事記』を35年かけて読み解き『古事記伝』44巻を仕上げたが、 その中で彼は「やまとことば」を”発掘“し、神々による建国の歴史を”発見“して、そこに日本の民族的アイデンティティーを見出した。日本、特に上流階層の知的世界は、文字は漢字、文章は漢文、学問は儒学、道徳は儒教、そして思想は漢意(からごころ)と、中国伝来の文化に占拠されていた。つまり日本は、中国の「文化的植民地」状態にあったと彼は考えた。

明治15年、福沢諭吉は『時事新報』社説「朝鮮の交際を論ず」で、「日本と朝鮮を相対すれば、日本は強大にして朝鮮は小弱なり。日本は既に文明に進みて、朝鮮は尚未開なり」書き、3年後には、有名な社説「脱亜論」を書く。そのタイトルは、、「朝鮮人民のために其国(そのくに)の滅亡を賀す」だった。日清戦争、日露戦争をへて明治43年、日本は「韓国併合」によって韓国(朝鮮)を「滅亡」させる。

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