編集長の毒吐録
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☆2019/9/7更新☆

【読書雑記567】『ひめは今日も旅に出る』(そねともこ/著、長久啓太/コメント、日本機関紙出版センター、1200円+税)。著者はALS患者。自分らしく、つまり人間らしく生き続けることをあきらめない。著者の前向きの生き方が、人びとも励ます。彼女の姿が問いかけるのだ。患者に寄り添う医療とはどうあらねばならないか、看護とは何か、生きるとはどういうことか。本書から読者は、「生」を考えるだろう。

全日本民主医療機関連合会(著者は民医連の職員)の機関紙『民連新聞』で感動を呼んだ連載を編集した。

令和新撰組所属の国会議員の一人が、ALSの患者であることが話題になり関心を集めている。本書の著者は、ALSの当事者として、その喜びと苦悩を描いている。ALS理解が本書で深まるだろう。そういう意味でも、必読の書と言えよう。

<検査を重ねても異常はみられず、大学病院に紹介となった月末、筋電図検査を受けたのち、外来で「恐らく神経の病気、下位運動ニューロンに異常がみられる」と伝えられた。否定されることを願ってある病名を聞いた。「ALSですか?」。 「その可能性もあるため、検査入院が必要」と告げられた。症状からALSと勝手に確信し、愛車に乗り込んだ途端、ぽろぽろ涙があふれてきた。もう元の身体には戻れないんだ、壊れてゆく身体とともに過ごしてきた1年あまりの記憶と感情が蘇り、拭っても拭っても涙が流れた。その夜、夫に報告すると、「あっそう、わかった。で、入院はいつ?」と拍子抜けするほどあっけなかった。ことの重大さがわかってる? と心配したが、逃れられない現実に正面から向き合う彼の前向きな冷静さが、私を現実に引き戻してくれ、逆に救われた>と著者は書く。

Smart Renewal History by The Room

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