編集長の毒吐録
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☆2019/9/24更新☆

【読書雑記572】『日露戦争と大韓帝国』(金文子、高文研、4800円+税)。多くの日本人は、日露戦争は「祖国防衛戦争だった」と認識しているのではないだろうか。日露開戦に向けた戦争準備、開戦当初の軍事行動を見れば、日露戦争が日本の韓国侵略の野心によって引き起こされた侵略戦争であったことが分かる。本書はそのことを教えてくれる。

開戦前後の作戦の中心になったのが、日本海軍の通信戦略だった。日本海軍が、日露開戦の一ヶ月も前から、本拠地である佐世保から韓国南岸に極秘裏に海底電線を敷設していたことが明らかにされる。さらに、日本の最初の武力行使は、連合艦隊の佐世保出港に先駆けて、第三艦隊によって実行された韓国の鎮海湾と電信局の占領であったことが述べられる。

「日本海海戦」として知られる戦闘は、無線と有線を組み合わせて朝鮮海峡の戦略的封鎖網を構築した日本海軍の「ハイテク」の勝利だった。電信線付置の重要に蒙を開かれた。

日本の軍事行動は、韓国の戦時中立をもとめ、世界には局外中立を求め、諸国から承認を得ていた韓国に対する明白な侵略行為だった。

本書は、日露開戦をめぐる通説に対し修正を迫る。最大のポイントは、日露開戦の見方だ。これまでの通説が、日露交渉のもつれから、あるいはロシアの圧力に対して止むを得ず、といった受身的ないしは防衛的なとらえ方だったのに対し、日本側から仕掛けた戦争だったことを明らかにした。繰り返しにもなるが、日本海軍が当時の「ハイテク」だった電信を、作戦準備・実行の生命線ととらえ、鬱陵島から朝鮮半島南部、長崎へと敷設して通信網を整備していたことだ。日露戦争での日本軍の最初の武力行使は韓国に対してだった。

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