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☆2019/11/19更新☆
【読書雑記588】『日本近現代史を読む 増補改訂版』(大日方純夫・山田朗・山田敬男・吉田裕/著、宮地正人/監修、新日本出版社、2000円+税)。旧版が15刷まで版を重ねる内に、内外の情勢は動いた。本書はそれらの動きを補う。日米同盟、構造改革、沖縄問題、天皇制、社会運動などを見直した。きわめて便利な書。
監修者は「戦後の大学の教養課程はリベラル・アーツという教育理念が基礎となっている」と説く。氏は学校教育法第52条の大学の定義を紹介する。「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用能力を展開させることを目的としている」。
そして、「『広く知識を授ける』が教養教育、『深く専門の学芸を教授研究』が専門教育および研究を指している」ことを指摘する。
リベラル・アーツを考えるとき、社会科学関連科目に史学が含まれだろう。しかしながら、よく言われように、古代史に時間をかけすぎて近現代史が教えられないことが多くある。1990年代の終局から現代に至る歴史は、今の現象を読み解くうえで貴重な役割を果たす。近現代史を学ぶことで、現今の事件を合理的に理解することがでる。
本書は、一項目が見開きの2頁建てになっていて読みやすい。また、写真も豊富で、所論の出典が丁寧に明示されている。史観をめぐる深刻な論争があるものは、複数の学説が紹介されていて、客観性を確保するように努力されている。全体として、「事実をして語らしめる」方針が貫かれていて、特定の史観からの「扇動」、「喧伝」じみた表現になっていないことが特徴と言えよう。
Smart Renewal History by The Room
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