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☆2020/1/12更新☆
僕が手にしているのは、井上ひさし著の『井上ひさし全選評(白水社、2010年3月刊、5800円+税)です。井上ひさしがなくなったのは4月9日ですから、生前最後の出版になります。
この本には、1974年から2009年までの36年間に、著者が新聞社・出版社などから委嘱された、延べ370余の賞(オール読物新人賞、朝日新人文学賞、大佛次郎賞、川端康成文学賞、岸田國士戯曲賞、講談社エッセイ賞、司馬遼太郎賞、小説新潮新人賞、小説新潮長編新人賞、すばる文学賞、谷崎潤一郎賞、日本ファンタジーノベル大賞、日本推理作家協会賞、直木三十五賞、野間児童文芸賞、松本清張賞、山本周五郎賞、吉川英治文学賞、読売文学賞、小説すばる新人賞・・).や懸賞・公募の選評を年代順にまとめたものです(!!)。 . ひさしは文学の賞の多くに選考委員としてかかわり、あるときは新人作家を送り出し、あるときは中堅作家の背中を押し、あるときは大家の業績に価値を加えました。それぞれの作品に対する敬意が根底にあります。本書は同時に、近代文学・演劇史の貴重な証言としても読めます。
ひさしの選評を通じて文学の盛衰を知ることができたというのが、10年ほど前に772ページ(!!)に及ぶ本書を読んだときの感想でした-。著者だからこそ成しえた、文学・演劇史の新しい姿だといえるのではないでしょうか。驚嘆・感嘆の本、「金字塔」です。
僕らは、こんな3か月後の4月12日(日)午後に集いを計画しています。JR京都駅八条口のすぐ近くです。ぜひお出ましください。
井上ひさし没後10年 講演と映画でのぞく「ひさしワールド」>■日時:2020年4月12日(日)13:30〜17:15■会場:響都ホール(京都駅八条口南)。参加自由・無料・手話有■講演:小森陽一さん(東京大学名誉教授、9条の会事務局長)*演題「井上ひさしと憲法九条―没後十年にあたって―」(90分)■映画:『父と暮せば』(井上ひさし/原作、出演/宮沢りえ、99分)
Smart Renewal History by The Room
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