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☆2020/1/26更新☆
≪期日前投票が始まり、2月2日に投開票される京都市長選に寄せて≫その❹ 蜷川虎三(京都府知事、1897年〜1981)が、『洛陽に吼ゆ』(朝日新聞社、79年)で、原発について語っている。<政府が安全性を保障し、国民の前に国民に害を与えないってことを示せば、絶対反対とはいわない。だけど政府は逃げ腰だ。東海村でも問題起こっている。あたしはエネルギーの問題として、波動のエネルギーを無視することはないというのが持論。危険な原発よりはいいですよ>。こんな早い時期に、彼は、原発の危険に警鐘を鳴らし、「波動」という自然エネルギーに注目している。
僕は70年に京都府農業会議に採用されたが、その翌年、府は「図録東寺百合文書」(教王護国寺〈東寺〉に伝えられた文書群で、奈良時代から江戸時代初期までの1000年間の約2万5千通の文書のこと)を公にしている。京都府の「買い上げ」で「文書」が「保存」され、決定的とも言える大きな影響を中世観にもたらした。
67年、京都府は、散逸、海外流出の恐れもあった「東寺百合文書」を1億3000万円で買い上げた。「蜷川知事の道楽だ」などの野党の悪罵、慢罵を退けての知事の判断だった。5月には、「東寺百合文書」をユネスコ記憶遺産に登録するよう、文科省が推薦すると報じられた。「御堂関白記」と「慶長遣欧使節関係資料」に続いて、2015年、「文書」は「舞鶴への生還」と並んで登録された。先を見越した知事の決断は今も輝く。
Smart Renewal History by The Room
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