編集長の毒吐録
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☆2020/2/5更新☆

ャーレポー179 住民置き去りですすむ嵐電白梅町駅の改修“と題する拙稿が、月刊誌『ねっとわーく京都』3月号(ねっとわーく京都編集委員会、かもがわ出版、523円)に掲載された。以下はその全文。

北区の嵐電白梅町駅で、駅舎の改修と市バスの停留所新設工事が進んでいます。問題は大きく分けると二つです。

■駅舎改修とバス路線の危険

一つは、駅舎の新設と改修です。
@今の改札口(駅舎は東を向いている)を廃止し、オープンスペースにします。A現在2つある上りと下りのホームのうち、北側のそれがなくなり、ホームは南側だけになります(線路を二つのホームがはさみます)。従って、白梅町駅の線路は1本になり、電車の離合(上下線の2本)は隣の等持院駅で行うことになります。何故、こんな「不便」なことが起こるかといえば、白梅町駅にバスの発着場を造ろうとするからです。そしてその場合、「利便性の向上」=白梅町駅を降りたらそこに金閣寺に行くバスに乗れると計画は言います。Bホームに昇降用のスロープをつくり、車いすも登れるようにする計画です。➃トイレを現在地(北のホームの西端)近くに造り、多目的トイレと男女別トイレを設置するとしています。

二つ目は、バスの発着場設置とそれに伴うルートの問題です。
@駅北側の壁と北側のホームをなくし、ホーム跡にバスの発着場を造ります(今出川通を西に走ってきたバスは、西大路通を越えて白梅町駅で停まり、そのバスは西行し、馬代〈洛星中高の西側〉)で右折し、馬代通オれぽーtを金閣寺に向って走ります。Aつまり、今出川通を西行してきたバスは、西大路通を右折して金閣寺をめざすことなく、西大路通を越えて白梅町駅まで走るということです。

■バリアフリーというけれど・・

僕ら駅周辺の住民はこの間、駅舎のガラスが何十枚も割れているので、それを直すよう署名を集めて京福電鉄に申し入れてきましたが、京福電鉄は計画がないこと、予算がないことを理由に申し入れを拒んできました(今になると、この言い分のおかしさが分かります)。そういう経過があって、市と京福電鉄は、嵐電白梅町駅の改修を決め、19年度から2か年で工事を進めています。

「平成31年度京都市予算の概要」には、「宿泊税充当事業」として「交通バリアフリー化対策」が2億9600万円計上されており、そこには「駅等のバリアフリー化(京福北野白梅町駅など)」と書かれています。

ここから分かるのは、市の「宿泊税充当事業」と銘打たれた「交通バリアフリー化対策」があってこそ、駅舎改修が進み、バス発着場が設置されることになったという疑惑です。出町柳駅は叡電のターミナルであり、白梅町駅は嵐電のターミナルです。そして、二つとも京福電鉄のものです。

■住民の声を聞いて!

工事は住民の声を無視して進んでいます。住民は、10月20日に「嵐電白梅町駅の改修と市バス路線を考える会準備会」を結成し、11月7日に「嵐電白梅町駅改築と市バス路線を考える会」の設立総会を開きました。そして、京都市、交通局、北区、京福電鉄など5組織は、ようやく、12月23日に「京福電鉄 北野白梅町駅リニューアル工事について」と題する住民説明会を開きました。これまで説明会開催を頑なに拒んできた京都市と京福電鉄に対する大きな成果です。

現場事務所で開かれた「北野白梅町駅リニューアル工事説明会」住民50人余が参加しましました。2時間を超えるこの会で、住民側の10数人は、駅舎改修工事が引き返せないところまで進んでしまったこと、改修がバス路線確保のためであること 、バスが通ることになっている道路の狭さ、馬代通り右折の危険などを語りました。また、叡電と嵐電を結ぶバス路線が観光のものであること、観光客であふれかえる金閣寺観光に輪をかけるものであることなども指摘し、工事中止の意見も出ました。

僕は❶<駅舎の南北の壁を取り払い、南側東にホーム昇降用のスロープをつくり、車いすは歩道から直接ホームに登れるようにする>としていますが、当事者の意見を聞きましたか?❷バス停の西側に多機能トイレ、男女別トイレを設置する計画ですが、なぜ現在地なのか?新トイレの設置費用は市(交通局)が持つのが当然ですがそうなっているか?❸多機能トイレ、男女別トイレを設置するとなっていますが、この考えは時代遅れではありませんか?「性自認」が当たり前の社会になろうとしている今、「男女別」はおかしいのでないか?「世界の京都」には似つかわしくありません。京福電車、市バス利用者も通行人も利用可能なトイレこそが、「観光京都の西の玄関口」に相応しいと考えます、どうでしょう。と述べました。

20年にも2回目になる説明会を開くように京都市に申し入れています。住民の運動は続きます。(市民ウオッチャー・京都)

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