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☆2021/1/12更新☆
【読書雑記703】『疫病と人類 新しい感染症の時代をどう生きるか』(山本太郎、朝日新聞出版、840円+税)。コロナ禍にあえぐ世界へ著者はまたとない贈り物を、著述という形で造った。パンデミックの今だからこそ求められる疫病のこれまでと今、そしてこれからを述べ論じる。好著。
エボラ出血熱、SARS、MERS、そして今回の新型コロナウイルス。最近姿を見せた感染症は、グローバル化あるいは温暖化による熱帯雨林の破壊などと無関係ではない。「ペスト」「スペイン風邪」「麻疹」など、人類は感染症とどのように向きあったのか?アフリカ大陸やハイチなどで感染症対策にたずさわった著者が、ポストコロナ時代を生きるヒントを示す。<第一部 ポストコロナの見取り図//第1章 共存か、あるいは戦いか/第2章 新たなウイルスの出現と生態系の破壊//第二部 感染症の歴史//第3章 世界史のなかの感染症/第4章 日本史のなかの感染症//第三部 記憶の切り絵//第5章 アフリカへ、そしてハイチへ//第四部 コロナ時代の羅針儀//第6章 選択可能な未来>
コロナ禍が広がった当初、政治家たちは「戦いだ」という言葉を使い、感染症を「撲滅すべき悪」だと規定した。戦争ならば倒すべき相手がいる。が、今回のパンデミックに倒すべき相手はいない。感染した人たちや感染対策によって経済的、社会的に影響を受けた「守るべき人たち」がいるだけだった。にもかかわらず、「守るべき人たち」に伝えるメッセージを「戦争」に置き換え、勝つまで「我慢」を強いるものとなった。これまでの感染症は、社会に変化をもたらした。そして、人類は感染症をうまく取り込み、免疫を獲得し、「種」として生き延びてきた。著者は、被害を最小限にし、柔軟性あるしなやかな社会をどう構築していくべきか、感染症と人類の歴史的事実に依拠して考察、提言する。
Smart Renewal History by The Room
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