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☆2021/4/6更新☆
【読書雑記725】『憲法九条と幣原喜重郎 日本国憲法の原点の解明』(笠原十九司、大月書店、3200円+税)。歴史学の専門家である著者が、日本国憲法がつくられた敗戦後の時代状況を把握して、幣原喜重郎が9条発案者であると論証する。軟弱・売国と批判された戦前の「幣原外交」には“平和思想”があったと著者は言う。戦後の「幣原・マッカーサー会談」が秘密とされた事情も明らかになる。
はじめに/第1章「幣原外交」の再評価/第2章幣原喜重郎の戦時生活と敗戦/第3章アメリカの日本占領政策/第4章幣原喜重郎内閣の発足/第5章憲法改正作業の開始/第6章アメリカ政府とGHQによる憲法改正の促進/第7章マッカーサーとの「秘密会談」における幣原の憲法九条幣原発案と「秘密合意」/第8章GHQによる憲法改正草案(日本国憲法草案)作成/第9章幣原内閣による「憲法改正草案要綱」の発表/第10章日本国憲法草案の帝国議会における審議と採択/終章
九条を素直に読めば、自衛隊は憲法に違反している。しかしながら自衛隊は現に存在する。なぜ?ある人は言う、「自衛隊は違憲だが合法だという状態を、結構気に入っているんです」と。白黒つけない状態は不安だけれど、あえてその状態に留まることが知恵だという。本書では戦力不保持・戦争抛棄の条項が幣原の発案だったという説を立証する。幣原の理想では自衛もふくめた一切の戦力保持が、違憲でありそこに合法の余地はなかった。しかし中華人民共和国成立や朝鮮戦争勃発により、日本が「反共の防波堤」の役割を持った中で解釈改憲が始まったという。「解釈改憲」を選んだ日本の政権党は「明文改憲」を選ばなかった、実に巧妙な「妥協」ではないか。
Smart Renewal History by The Room
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