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☆2021/4/13更新☆
【読書雑記727】『新実存主義』(マルクス・ガブリエル著・ 廣瀬覚訳、岩波新書、800円+税)。『世界はなぜ存在しないのか』(既読)で、「世界」を論じた哲学者が次に切り込んだのは「心」だ。実存主義と心の哲学をつなげ、21世紀の存在テーゼを提示した本と言えようか。本書は5章でなる。第1章が著者の元々の論文、第2〜4章が別者によるその解釈及び反論、第5章が著者の回答となっている。哲学だけではなく、物理学、進化論、社会学、脳科学、生命科学などを動員して、人間そのものと精神世界に関する幅広い知見を得ることが出来る。
心と脳は同じものなのか。心はすべて物理的な理論で説明がつくのか。心と脳はなぜ「サイクリングと自転車」の関係に似ているのか。著者これらのことを問い直し確認する。「新しい実在論」が流行だが、その中でガブリエルの著作は人気だ。
<自然主義批判>自然主義は、科学的な法則のみがすべてを支配するという思想だ。今後も人とテクノロジーの共生は不可避だが、自然主義の法則だけで人類を進化させるのは危険だ。客観的なものだから、絶対に間違えないということはないのだ。 <ヒューマニズム>背伸びした主観は否定されるが、自由な自己は肯定される。科学法則にもとづく決定論が力を持つ現代にあっても、人は「自由」だ。人間が生きることの意味を取り戻そうとする。著者は言う。「自然主義の失敗のあとで人間の心をどう考えるか」と。
Smart Renewal History by The Room
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