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☆2021/4/18更新☆
京都シネマで上映している映画『夜明け前のうた』を観てきました(2020年製作/97分/G/日本。〜4月27日)。かつて日本には精神障害者を隔離する制度=「私宅監置」がありました。1900年に制定された精神病者監護法に基づき、精神障害者を小屋などに隔離した私宅監置制度は、隔離された人々の尊厳を傷つけました。本土では1950年に禁止となりましたが、沖縄では本土復帰の1972年まで続きました。その後も公的な調査や検証は行われていないといいます。沖縄でこの問題を追い続けてきたテレビディレクターの原義和さんが、1964年に沖縄に派遣された精神科医・岡庭武氏が記録した写真と当時のメモをたどり、犠牲者の消息をたどる映画です。
これは過去の事実とその凄まじさ(私宅監視)を伝えること、そして存在を無きものにされた歴史の被害者の弔いの意味が込められています。監督は、少ない情報をもとに、「無きものにされた人」の情報を集めます。監督は「無きものにされた人」の尊厳を取り戻したかったのではないでしょうか?
「私宅監置」の実際を現場や証言で追いながら、歌を歌い踊る白い仮面の女性を配置します。彼女が静かに舞う姿だけが、「創作」です。事実として、歌が好きな人がいたようですが、その人物を軽やかなる舞姿で表現しています。「生きた証」かもしれません。1950年以降も沖縄で残ったこの「制度」ですが、それは、沖縄を見限った日本国家の考えそのものではなかったでしょうか。
「隔離」された犠牲者は、人生を奪われましたが、その後も公的な調査や検証は行われていません。「家族の恥」「地域の恥」、「日本の恥」として闇に葬られてきたのでしょう。この映画は、闇の歴史と向き合うことで、聞き見ることが出来た「光」を見せてくれました。
Smart Renewal History by The Room
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