編集長の毒吐録
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☆2021/4/24更新☆

【『悼辞 先に逝った人』(井上吉郎、ウインかもがわ<〒602-8119 京都市上京区出水通堀川西入亀屋町321>、200円+税)普及の記❶】

≪<はじめに>です。  多くのもの、なかでも「人間」に影響されて生きてきたようにおもう。今を生きる人もさることながら、亡き(無き)人にも影響を受けてきた。面識のある人、そうではない人と違いはあるが、受けたものには強弱はない。「自分」という存在は、人から受けた影響を抜きには考えられない。映画、著作、しぐさ、声とこわね、人格と人柄、ふれあい方、思考方法など、影響された事柄には違いはあるが、共通するのは、「達意の人生」を送った人だったということだ。「自分」を「自分」でつくるということは間違いで、「自分」は「自分以外の他人の力」で創りあげられたということを、本書を編みながら痛感させられた・・。

<目次>です。  ヒトラーの蛮行を暴く クロード・ランズマン/「韓国の環境問題の父」といわれた学者 金政/総合雑誌の論考が政府を動かす 水上勉/ゆかいなことをいっそうゆかいに 井上ひさし/人を育て、政治革新に力を尽くす 西山秀尚/二つの道で大きな仕事をなしとげる 多田富雄/「スクリーンのない映画館」で独自の世界を開く マルセ太郎/<曼珠沙華どれも腹出し秩父の子><彎曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン>と詠んだ 金子兜太/“リベラルな知性”の人 加藤周一/“市民”として生きる 鶴見俊輔/政治家で精神科医で作家でもあった 津川武一/“市民”であった人 小田実/市民運動の先頭に立って 壽岳章子/書くことにこだわりを持つ 金賛汀/「伝統」の世界に生きた「革新」の人 茂山千之丞/“知の巨人”であった 宇沢弘文≫

<生協連の頃から市長選を闘われた時の演説の光景が昨日のように浮かんできました。例えどんな逆境におかれても人類史の未来に動じない確信を持続されておられる井上吉郎さんに拍手を贈り、長生きして下さることを切にお願いいたします。『悼詞 先に逝った人』。悼詞と書いて「とうじ」と読むのだろうか。ありていに言えば「哀悼(あいとう)の詞」であろう。井上さんの人生の中で影響を受けた方で、「達意の人生」を送った人16人と自分とのつながり、をエッセイ風にまとめられている。それにしても、すごい面々である。私にすれば、会うこともままならない人たちと、国の政治や京都の政治のあるべき姿を議論し、憲法や京都の景観を守る運動や市民運動をともに取り組み、当時の京都市長選挙で街頭や屋内で応援のマイクを握ったり、メッセージを寄せてもらったことを紹介している。誤解を恐れずに言えば、今で言う「市民と野党の共同」を地で実践してきた井上さんの人柄や懐の深さがうかがわれる。2020年1月に発行された『近代の京都を創った人たち』と合わせて読めば、京都の革新・民主の運動の流れが伝わってくる>

<息子から渡された『悼詞 先に逝った人』をさっそく読ませていただきました。「毒吐録」で拝読しておりましたが、こうして一冊にまとめたられたものを読むと改めて多くの素晴らしい人たちに取り囲まれていらっしゃったことを思います。そして私も、その16人中の半数近くの方の話を聞くことができ、講演者を囲む会などに同席し直にことばを交わす機会を与えられたことに感謝する次第です。中でも加藤周一、私は40歳に届かんとする頃『日本文学史序説』に触れて驚愕、朝日夕刊連載の「夕陽妄語」を気にするようになり愛読するようになってくると、その見識と真っ当な思想に傾倒し、「科学的社会主義」でなくても独自にこんな考えを持てる人がいるのだ!とうれしくなったものでした。そして私にも、聞く、会える、話せる機会がその後何度か訪れ人生での貴重な体験になりました。ほかにも、千之丞さんとの対談やマルセ太郎さんの講義の場まで与えて下さったことを思い出しています。「先に逝った人」との表題はあたりまえの言葉のようですが、意味深長、むべなるかな、言いえて妙と思います>

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