編集長の毒吐録
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☆2021/5/22更新☆

【『悼辞 先に逝った人』❺】読後の感想  『ヒトラーの蛮行を暴く クロード・ランズマン/「韓国の環境問題の父」といわれた学者 金政/総合雑誌の論考が政府を動かす 水上勉/ゆかいなことをいっそうゆかいに 井上ひさし/人を育て、政治革新に力を尽くす 西山秀尚/二つの道で大きな仕事をなしとげる 多田富雄/「スクリーンのない映画館」で独自の世界を開く マルセ太郎/<曼珠沙華どれも腹出し秩父の子><彎曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン>と詠んだ 金子兜太/“リベラルな知性”の人 加藤周一/“市民”として生きる 鶴見俊輔/政治家で精神科医で作家でもあった 津川武一/“市民”であった人 小田実/市民運動の先頭に立って 壽岳章子/書くことにこだわりを持つ 金賛汀/「伝統」の世界に生きた「革新」の人 茂山千之丞/“知の巨人”であった 宇沢弘文≫

<加藤周一の「文学論」「読書論」を学びました。また「美術論」も。その深遠な指摘に「感動」してしまいます。小さい頃からの読書や体験。フランス留学のなせる技かと思いましたが、井上吉郎さんは他の15人よりも多くのスペースを割いて、その付き合いの思い出の語りを『悼詞 先に逝った人』に加藤周一の書いた本を参照しながら書かれています。「加藤周一論」として興味深く読ませて頂きました。

僕の本棚にも『夕陽妄語』(ちくま文庫 1〜3)はありますが、未だ十分には読めていません。井上はこの本が「伴走者」であったと述ベています。三回読んだと書かれていました。僕も『朝日新聞』に連載されていた時にいくつかの文章に触れて、その知的関心の広さ、選んだテーマの広さとその深さに「感動」したことを覚えています。読まねば!!

既に書きましたが、この本は絶好の「人物論」「書評」「読書論」になっています。
この本を参考にしながら16人に学べば、新たな世界が切り開かれるのでは・・>

<著者は、多くの重度障害者が殺傷された事件(相模原事件)の発生直後、『障害は「迷惑」じゃない』(全障研出版部・松本誠司氏らとの共著)を出版した。
 新自由主義的経済への参画に社会的バロメーターが合わせられるようになったわが国。それは、国家(軍事的有事)や社会(生産性)への貢献性が低いとされる人たちの存在を「迷惑」という言葉で疎外すると同時に、その人たちの生命の維持のために投じられる公金(税金)をムダととらえる風潮を作り出した。において、重度障害者を社会の役に立たない(=「迷惑」)と位置づける事件とその加害者を賞賛するネット上の少なくない声の所在は、その風潮が決してバーチャル的なものでもないことを私たちの前に知らしめた。
 事件の発生を予想しえなかったはずの著者は、事件の発生とそれ以降に露呈する風潮を予想するかのように異質の人間観、いや社会観から、障害者の存在を「迷惑」ではないと明言した。
 
事件の発生以降、著者は【障害者=迷惑】という基層に生命の商品化があると指摘する。本来、あってはならないはずの生命の商品化は、経済効率の最優先といった定説の中で、本来、平等であるはずの生命をこの定説にあてはめようとする。その証拠が石原エイリアン発言であり、社会の役に立たない(=「迷惑」)という名の下に重度障害者が殺傷された事件と主張する。
 
その論は的を射ているが、あえて私の意を付け加えるならば、「迷惑」という言葉の下に阻害された障害者や高齢者、難病患者などが「迷惑」という言葉からの脱却をと図るために、自ら生命の商品化の社会へと飛び込み、「迷惑」という言葉を返上することで、井上とは真逆の障害者は「迷惑」ではないというSF的な風潮が現出しつつある>

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