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☆2019/4/23更新☆
【読書雑記531】『日本人の明治観をただす』(中塚明、高文研、2200円+税)。近隣諸国との友好関係の第一歩は、隣国・朝鮮への侵略の歴史を知ることだろう。本著はその願いに応えてくれる好著。
日本人に深く浸透している「栄光の明治」観──日清・日露戦争に勝利して「一等国」にのぼりつめてという物語―はアイヌや琉球の人々を「臣民化」し、台湾・朝鮮を植民地として併合する帝国主義国家が誕生する道でもあった。本書は、日清・日露戦争の主眼は朝鮮支配にあるとし、その具体的な事実を日本軍による不法行為と戦史の改ざんを示す史料で明らかにした。
欧米のアジア侵略を防ぎ、独立を果たそうとした日本帝国とは名ばかりで、実祭はアジアへの植民地獲得侵略戦争であったのではないか。江華島事件を口火に、東学党の乱→日清戦争→義和団事件→日露戦争と続く朝鮮・中国への歴史が学べる。大本営発表、とりわけ後半期のそれは、嘘で塗り固められていた。同じようなことが1875年の江華島事件や日清戦争時にも行われていた事実を、著者は明らかにする。
日清戦争時、朝鮮の農民が日本軍の意図を見抜き、粗末な武器で抵抗した第2次東学農民戦争については、現在の学校教育の日本史ではほとんど記述されていないという。現在の日本・韓国・北朝鮮・中国の国際関係を考える前提として、ここに書かれている歴史経過を正確に知るのは不可欠な事だろう。また著者は、日清戦争の開戦二日前に日本軍による朝鮮王宮占領があったことを、当事者の軍人たちの証言を掘り起して示している。公式の戦史ではそのあったことがなかったことになっているという。
<「世界史のなかの近代日本」、そして「明治」という時代/近代日本の基礎をつくった「明治」/日清・日露戦争と朝鮮侵略/頽廃する明治―戦史の偽造/偏見の増幅/狡知の馴れ/未来を切り拓くための歴史認識―事実に向き合い日本の近代を再考しよう>
Smart Renewal History by The Room
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