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☆2019/5/21更新☆
【読書雑記539】『欲望という名の電車』 (テネシー・ウィリアムズ/著、小田島雄志/訳、新潮文庫、520円+税)。舞台はニューオーリンズ、今は落ちぶれた名家出身の女性が、妹とその夫が住む家に居候する。触れられたくない過去を暴かれ、彼女は破滅の道を歩む。1947年初演、演劇史上不朽の名作。テーマは「資本主義」。 主人公は南部の大地主だった家柄の、若い未亡人のブランチ・デュボア。大地主階級出身で零落した気位が高い彼女は夫の死後、故郷を離れ、労働者スタンリー・コワルスキーと結婚した妹のステラの家に身を寄せる。ブランチと粗野なスタンリーはそりが合わない。ブランチはスタンリーの同僚のミッチと知り合い、彼と結婚して人生を立て直すことに望みをかける。しかしスタンリーはブランチが、同性愛者だった夫の死後に精神の安定を失い、多くの男たちと淫蕩な生活を送った挙句、少年を誘惑したことで街にいられなくなったことを暴露する。ブランチはミッチに捨てられ、スタンリーにレイプされる。スタンリーらの、粗暴なまでの“新しいアメリカ”の“生”が描かれる。
「『欲望』という名の電車に乗って」ブランチが降り立ったのは、ニューオーリンズの下町。買うことなどできない愛情を、お金で買うのか?人間の本質を問う。
妹・ステラへのブランチの台詞―あんた、私たちの育ちを忘れてしまったの?あの男(スタンリー)にだって紳士らしさがあるかもしれないとでも思ってるの?あるもんですか、ひとかけらだって!ああ、あの男が―ごく平凡な!特にとりえのない人であっても―善良で健康であればいいわ。ところが―大ちがい。どこか―けだものじみたところがあるわ―あの男には!。
スタンリーの台詞―ステラ、さっき言ったろうが、この話はおれがいちいちたしかめたんだぜ!最後まで聞けよ。レディー・ブランチがお困りになったのは、ローレルじゃあもう芝居をうてなくなったってことさ!どんな男だって二、三回デートすりゃあ、あの女の正体がわかって、おさらばってわけだ。そこであの女は次の男へ乗りかえる、そしてまたおんなじ芝居、おんなじ台詞、おんなじたわごとのくり返しだ!ところがこの芝居をいつまでもうち続けるにはあの町は小さすぎるんだな!そのうちにあの女は町の名物になっちまった。
Smart Renewal History by The Room
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