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☆2019/6/9更新☆
月刊誌『ねっとわーく京都』7月号(No366、『ねっとわーく京都21』)は、<ウオッチャーレポート172「観光京都」は住民がいてこそ―嵐電白梅町駅の改修から考える>と題する拙稿を掲載している。以下はその全文。
「いつでも、突然でも、月曜日のアサ、北野白梅町の嵐電の駅に行けば、笑顔にお会いできる、変わらぬ広場があります。「北野白梅町駅」もリニューアルし、バスも乗り入れる計画案があるようです。京都の庶民の町の玄関口が住民の進取のアイデアを取り入れ、未来のモデルになるようなアゴラ・エントランスになって欲しい」とは沖縄の人の声、月曜日定例の無言宣伝と駅舎改修へのオマージュだ。
宿泊税を使って、駅の改修
僕らは(駅周辺の住民)この間、駅舎のガラスが何十枚も割れているので、それを直すように数百人もの署名を集め、2回にわたって京福電鉄に申し入れてきたが、残念ながら京福電鉄は計画がないこと、予算がないことを理由に申し入れを拒んできた。
そういう経過を経て、京都市と京福電鉄は、嵐電白梅町駅を建てかえることを決め、2019年4月から2か年で工事を進めるとしている。それは、大きく2つに分けられる。一つ目は、19年4月から行われる予定の駅舎の改築であり、もう一つは、20年4月以降のバス新路線の実施である。
「平成31年度京都市予算の概要」には、「宿泊税充当事業」として「交通バリアフリー化対策」(以下「対策」)が2億9600万円も(しか?)が計上されており、ここには「駅等のバリアフリー化(京福北野白梅町駅など)」と書かれている。白梅町以外にも「駅等のバリアフリー化」が予定されているので、事業額は2億9600万円以下であることが分かる。この記述からは、@京都市と京福電鉄の負担割合が不明であり、A駅舎改築とバス事業の区分(後述)が不明だ。
駅の改修、バス路線新設の全体像
そういう問題を持つ「対策」ではあるが、まずはその全体像に迫ろう。
≪駅舎の改築に関わる事業≫ ・今の改札口(駅舎は東を向いている)を廃止し、オープンスペースにする(ホームの上に屋根を設置)。 ・乗客は運賃を電車内で払う。 ・現在2つあるホームの内、北側のそれを無くし、南側だけにする。電車の離合は隣の等持院駅で行う。 ・駅舎の南北の壁を取り払い、南側東にホーム昇降用のスロープをつくり、車いすは歩道から直接ホームに登れるようにする(現在の駅舎から南北の壁を撤去し、結果として割れた窓ガラスは無くなる)。
≪周辺道路をいじる≫ ・駅北側の壁と北側ホームを無くし、ホーム跡である駅舎北側にバスの発着場とバス停をつくる(20年4月)。バスを走らせ(2132年度から運行、馬代通りの交差点を右折し、金閣寺に向かうバス路線をつくる)、金閣寺と銀閣寺、出町柳駅(鞍馬・貴船)、白梅町駅(嵐山)を結ぶ。 ・バス停の西側(現在地に)に多機能トイレ、男女別トイレを設置する。
3つの大きな問題が
以上が事業の概要だが、ここにはいくつかの問題がある。 @「駅等のバリアフリー化(京福北野白梅町駅など)」と事業は銘打っており、対策としてあげられているのは、<南側東にホーム昇降用のスロープをつくり、車いすは南側歩道から直接ホームに登れるようにする>であるが、肝心かなめのスロープの傾斜度が分からない。ちなみに今の傾斜度は急で、電動車いす利用者の僕でも、後ろを支えてもらわないと、後ろにひっくり返りそうで危ない。電動でない車いすの場合は、そもそも昇れない。さらに言うなら、バリアフリー化の対象が車いすに限られていて、例えば視覚障害者はラチ外だ。
A18年4月23日の無言宣伝は前回に続いての頻尿だった。紙おむつをつけて、駅北のプラットフォーム(降車時に使われる)の最奥端(西端)にあるトイレを利用して排尿した。入口が狭くて中には入れず、サーカス団員よろしく、微かすかな突っ張りを握って用を足した。ちなみ言うなら、大便用便器は小便用便器の後ろを通らなければならないし、通路も部屋も狭く、車いすでは使えない。上記のような僕の意見に、沖縄の人は、以下のような意見を寄せくれた。
「設置の場所も検討すべきと思います。幅の狭いプラットフォームの最奥に、確か男女兼用だったと。改札からかなり遠い、冬だと夕方のころは暗い。トラブルがあったときは死角になりそう。駅舎の入口付近に、男女を分けて設置できるようにして欲しい。町中の玄関にあり、ターミナル的重要な場所、電車利用しない方も使える京都に誇れる『公衆トイレ』を置いてもいいと思います」。 僕は、強く同意する。「観光都市・京都」の西玄関ともいうべきターミナル、先には、龍安寺、妙心寺、仁和寺、映画村、そして嵐山もある。「観光京都」は、ホテル誘致ではつくれない。美しく、清潔で、誰もが利用できるトイレを!そして、駅舎にガラスを!
B僕らが、割れた窓ガラスを放置したままにするなと声を上げた理由の一つが、ターミナルにもかかわらず、窓ガラスが割れたままだと、冬場が寒いということだった。駅舎をなくすことで、寒さは募る。何らかの「暖房」が必要だ。 ☆ 18年7月17日、駅舎の100mほど先の踏切で、電車と右折したタクシーが衝突、タクシーの運転手が腰の骨を折るなど全治6か月の重傷を負った。その後、京都府警は、踏切の動作に関する安全対あった策を怠ったとして、業務上過失傷害容疑で同電鉄の運輸課長ら社員4人を書類送検した。安全、快適な駅舎を創ることこそが、宿泊税をいただいた「観光京都」の取るべき道だろう。
井上吉郎(市民ウオッチャー・京都)
Smart Renewal History by The Room
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