編集長の毒吐録
<<前のページ

☆2019/6/23更新☆

<慰霊の日に寄せて>【読書雑記546】『自衛隊の南西シフト 戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』(小西誠、社会批評社、1800円+税)。自衛隊の南西シフトが急ピッチだ。与那国(この島ではすでに自衛隊基地が造られた)・石垣・宮古・奄美などの諸島への建設の現状が、写真と現地調査、自衛隊の内部資料で語られる。そこでは国民を置き去りにして、軍事化が進む。始まっているのは、「島嶼防衛戦」=日米共同の東シナ海戦争態勢づくりという事態だ。

防衛省は2013年の新防衛大綱で「南西地域の防衛態勢の強化、防衛力装備を優先する」という「南西シフト」を打ち出し、宮古、石垣などに陸上自衛隊の配備を進めようとしている。自衛隊は元々、航空自衛隊が宮古島にレーダーサイトを持っているだけだった。それが対中国を念頭に、「南西シフト」と「海空重視」の戦略を採るようになった。

自衛隊は、ソ連が北海道から侵攻してくることを想定して部隊を北海道に置いた。米ソ冷戦終結後、陸上自衛隊は「南西シフト」で「海空」が重視するようになった。自衛隊の南西諸島への配備計画は、中国を仮想敵に、自衛隊が新しい仕事を創った。

自衛隊の配備が防衛上、本当に必要なのか。計画では、石垣や宮古に地対艦ミサイルや地対空ミサイルの部隊が配備されることになっている。これは、防衛上の必要性というより、シンボル的な意味合いの方が強い。南西諸島という対中国の「前線」に、ミサイル部隊などを配備することは、相手の喉元に銃口を突きつけることになる。緊張度が高い地域で偶発的な事態を招いてしまう恐れもある。

もしも島で戦闘が起きた場合、自衛隊は住民を避難させる必要があるが、そのような避難計画は整備されていない。住民を島に残したまま戦闘が始まれば、かつての住民犠牲の沖縄戦のようになる。自衛隊が配備されることで、攻撃の対象になるという住民の不安は増す。

Smart Renewal History by The Room

閉じる

First drafted 1.5.2001 Copy right(c)福祉広場
このホームページの文章・画像の無断転載は固くお断りします。
Site created by HAL PROMOTIN INC