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☆2019/6/30更新☆
<近代の京都を創った12人> ❼茂山千之丞と伝統の世界
狂言役者・茂山千之丞(1923年〜2010)は、“シラクさんは罪なお人や”と題する文章を1998年7月16日の『朝日新聞』論壇欄に寄せて、「ポン・デ・ザール橋計画」に異を唱え、反対を表明した。96年から問題になっていたことに、フランス・パリのセーヌ河にかかる「ポン・デ・ザール」もどき橋を、鴨川の三条と四条の間に作ろうという計画があった。千之丞は、平和主義者だったし、狂言の隆盛をもたらした功労者でもあった。
茂山千之丞は映画『エイジアン・ブルー 浮島丸サコン』に友情出演してくれた。千之丞が今様をうたいあげるシーンが印象に残る。『朝日新聞』の「天声人語」(95年5月28日)は、<狂言役者の茂山千之丞さん、京都市民などが作った敗戦直後の浮島丸事件の映画に無料で出演。「埋没している事実を事実として残すのは戦中派の人間の義務なのです。・・事なかれでなく事あれ主義。行動を起こさないと世間に伝わりません>と言っている。
<この計画に反対する事由は、景観論によるだけではない。この場所に橋そのものを架けることの可否が十分に論議されていない状況の中で、シラク大統領の提案をかさに着、フランスとの国際親善をお題目にして、やみくもにこの計画が推進されている><桝本市長の奔馬のような独走が始まった>。「狂言役者」の文章がとどめを刺して計画は白紙撤回され、鴨川の大景観は守られた。「伝統」の世界からの異議申し立てが流れを変えた。
≪➊四方文吉(しかたぶんきち)と建物疎開❷堀川弘道と「映画の都」❸ヴォーリズと洋風の近代建築❹渡辺白泉と『京大俳句』の弾圧❺斎藤雷太郎と『土曜日』❻夏目文夫と障害者≫
Smart Renewal History by The Room
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