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☆2019/7/9更新☆
【読書雑記551】『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』 (斉藤光政、集英社文庫、800円+税)。「東日流外三郡誌」(つがるそとさんぐんし)が偽物であることを確信した地元紙の記者が青年が、筆で真相を暴く痛快なルポルタージュ本。面白い。
青森県五所川原市のとある一軒の農家の屋根裏から、膨大な数の古文書が「発見」された。当初は新たな古代文明の存在に熱狂する地元だが、1992年の訴訟をきっかけに、その真偽を問いかける論争が起こった。結局、この「東日流外三郡誌」は偽書であることが明らかになるのだが、この事件を、『東奥日報』の記者が綿密な取材を重ね、偽書である証拠を取材で捜しだし突き付ける。戦後最大ともいえる偽書事件後に見えてきた新たな考察も加えた。ちなみに、カバーイラストは「機動戦士ガンダム」の安彦良和氏。
きっかけは写真を無断で使われたという人が起こした民事訴訟だった。青森県の東奥日報の警察担当の記者は、「東日流外三郡誌」という、古文書に関わるようになった。彼は、これは現代に書かれた偽書ではないかと疑い始めた。そして、関係者に取材を重ね、証拠を積み上げていった。その経過を本書はまとめたもの。この本は最初2006年に出版され、09年に文庫化された。その後、「あれから十二年」という新章を加えて、再文庫化された。
著者が地元紙の記者であるため、「発見者」の近くに住んでいる人、以前関わったという元新聞記者氏など、「発見者」のそばで接してきた関係者に取材したことで、推理小説を読むような興味溢れる内容になっている。偽書事件といっても、書物だけでなく、「御神体」や遮光器土偶、クジラの骨の化石、謎の神社そのものまで登場する。プロローグとエピローグで、「発見者」が住んでいた家に、直接訪問するシーンで、この本は始まり、終わる。驚きの展開と結末と言える。
Smart Renewal History by The Room
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