編集長の毒吐録
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☆2019/8/13更新☆

【読書雑記560】『日本ナショナリズムの歴史 IV  国家主義の復活から自民党改憲草案まで』(梅田正己、高文研、2800円+税)。大日本帝国の崩壊と一緒に、「日本ナショナリズム」も消滅したはずだった。しかしながら、それは、戦後70余年、いまや国政の主流を占めるまでになった。どうしてそうなったのか? 復活のプロセスを考え、検証する。シリーズの最終巻、読書の喜びと新知識の獲得に堪能した。

大日本帝国の崩壊と共に、「日本ナショナリズム」も消滅したはずだった。しかしながら、敗戦後わずか5年後、吉田茂政権は、愛国心を説き、文部大臣は「日の丸」「君が代」の復活を提唱した。「世論」は必ずしも、拒否的ではなかったという。そしてこの時期、朝鮮戦戦争を契機に、警察予備隊が創設され、日本は再軍備への道を歩み出した。

列強の一つになった日本人に注ぎ込まれたのが「神権天皇制」だった。太平洋戦争の期、「日本ヨイ国、キヨイ国、世界ニ一ツノ神ノ国」と流布された思想だ。「日本帝国」が崩壊し、この思想も崩れたかというとそうではなかった。最近では、「明治維新150年」のかけ声と共に復活しようとしている。本書とこのシリーズは、「神権天皇制」を軸とした「日本のナショナリズム」の成り立ち、発展、変ぼう、その歴史を、系統的に明らかにしようとした。

著者は結びとして、今日の日本の民主主義の危機的状況をただすために、日本近現代史の総学習 運動〞を提案している。読者は、本書を通じて「日本ナショナリズム」の成り立 ち〞と生態〞を探ると同時に、自分の着想力や問題発見力を豊かにし、歴史認識力を鍛えられる。近代日本のあり方を解明するために不可欠なだけでなく、戦後日本、とくに今〞を考えるための重要テーマに挑戦した著作だった。

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