かよこさんの子育て・子離れ録
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☆08/01更新☆

第52回 音楽の風
 このところ朝5時頃に時計のベルが鳴り、三男はドタバタと散歩に出かけます。

 雨の日も出かけるので長靴を買ってやりました。

 そのうち、「日の出が見たい」というのでわたしは近くの山に行くように言いました。また何日かして「日の出はいつなんや?」ときくので、新聞の欄を教えました。夏のこの時期の日の出は5時前です。それから数日、5時前に起きていました。

 そしてある日、「今日も日の出は見られへんかった」というのです。わたしが「今日は曇ってるし無理や」と言いました。息子は「えーっ!!雲ってたら見えないんか?それを早く言ってよー」と言いました。

 三男はこのところ瞑想に関する本を読んでいます。もしかしてそのつながり?それともひどすぎる無知?

 この度も、わたしは日々、こんな子たちを相手にしてるんやー、と痛感した次第です。

 そんな三男は散歩から帰ってくると宇多田ヒカルのニューアルバム『ULTRA BLUE』を毎日聴いています。先日はあふると一緒に宇多田ヒカルのコンサートにもでかけました。

 そしてようやくドラム演奏も再開しました。お父さんに誕生日プレゼントの前借りをしてドラムセットを買ってきました。我が家でたたいています。

 「やっぱりドラムはいい!!」そうです。

 近所迷惑にならないようにとクローゼットとして使っていた部屋を閉切ってたたいています。娘の下着も散乱する中で「将棋で疲れた頭をリフレッシュする」目的は果たせているのでしょうか。

 娘も「音楽の風」を運んできました。中学の吹奏楽部に入部したのです。中間テストも好成績で乗り越えたので、次ぎは「お友達と一緒に下校したいから」だそうです。

 家の中はそれまでの掛け算九九や分数計算の話題に代わって四分音符、ヘ音記号、アダージョ、付点休符などのことばが飛び交っています。今まで音楽にはあまり興味を示さなかった娘は音符の読み方も知らなかったのです。

 そこで数学も弱いけど音楽にも弱いわたしに質問攻めです。わたしは「四拍子というのは・・・」などと教えるはめに。

 夏休みというのに、京都市のコンクールや地域での夏祭りにむけて練習に励んでい

る娘にびっくりです。音楽の力でしょうか。

 あふるはコンサートつづきです。宇多田ヒカルのコンサートチケットもあふるのねばりで手に入れたものです。8月は「ウルフルズ」の野外ライブも行きます。9月は京都での「オレンジレンジ」の予定です。

 なんと、特別編として、彼女とあふるのためのライブが企画されているのです!先日「祇園祭にも浴衣を着せてあげたかった」と彼女のお母さんが『キッチン ハリーナ』で言いました。

 それをわたしたちが聞き逃すわけがありません。

 店長さんも「浴衣着せてあげようやないの」「二人を盛り上げようやないの」となり、8月16日の五山の送り火の夜にお店でのライブが決定となりました。

 我が家の「音楽の風」はしばらく続きそうです。
筆者紹介
渡辺 加代子
1955年、千葉県生まれ。ホームヘルパー。 23、21、17、11歳の4人の子どもの母親、上3人は男の子。
長男は19歳で結婚、15歳から海外生活が多く、アフリカでサッカーのプロ選手だったこともあり、現在、BMX自転車のプロ競技者。二男あふるさんは、丹波養護学校卒業後京都市内のパン屋で働く。絵描きとしてのデビューは2003年3月。三男は日本将棋連盟のプロ棋士養成所である奨励会の会員。5才のときから保育園に通えなくなり、小中高と不登校。フリースクールにたまに顔を出す。長女は小学校を4日だけ体験、フリースクールも3年ほど行ってない。引きこもりにしては穏やかで、成長もはやい。友達とは遊ぶ。思春期真っ只中。
「三人の子と年1回の海外旅行を楽しむことを目標にしているが、2回しか行けていない」と嘆きつつ、「 三男の暴れがすごかったので、いろんなことが転換してしまった。つらい体験だったけど、やり直しができてよかった。おかしな子ばかりで、まだ子育ての現役を痛感させられる」と屈託なく微笑む不思議な人。
 
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