編集だより
☆9月30日☆第3回アフリカ開発会議(議長・森喜朗)が東京で開かれている。1993年から始まった会合で、5年に1回、日本で開かれている。南アフリカ共和国におけるアパルトヘイトに反対する国際世論喚起の活動に連なった経験しかないアフリカ大陸との付き合いだが、この大陸の多くの地域を覆う貧困・戦争・飢餓には多大な関心を寄せ続けてきた◆会合には、アフリカ49カ国、支援国37、47国際機関の代表が参加したという。昨日、主催国・日本の小泉総理が基調演説をした。日本の、この10年間のODA(政府開発援助)総額は120億ドルで、仏米英につぐ額だという◆アフリカ諸国の今日の困難は、かつての欧州諸国の植民地としての苦難とは無縁ではないし、米国のかつての蛮行を大陸の人たちは忘れてはいない。東西冷戦時代の資源争奪戦もこの大陸を苦しめただろう。ところが、ODA大国の中で、日本だけが、今日までは違う歴史を持っている◆ところで、日本をふくむ先進国からの援助が、期待された成果をあげていないという指摘も目につく。彼の地の民の暮らしの実状にぴったりと寄り添った施策になっているからかもしれない。実際をよく知ることが何よりも必要だろう◆そんなことを考えながら新聞を読んでいて、思わず目を疑うような記事が飛び込んできた。それは「小泉日誌」(産経新聞、9月30日)。昨日、小泉さんは、上記会議で演説、参加各国の首脳と記念撮影をし、首脳との個別会談をこなし、衆院では代表質問の答弁に立っている◆6時50分、南ア大統領、7時17分エチオペア首相、38分アフリカ開発会議首相主催レセプションに出席、あいさつ、ここまでは実に精力的。ところが、8時12分に会場を離れた首相が向かった先は、南麻布の日本料理店「有栖川清水」。ここを出たのが10時22分、計算すると2時間10分を過した相手はあの山崎拓自由民主党副総裁◆5年に1回、往来もままならないアフリカからの客人とは、何時間もかけて話し合う意味があると思う。大事な客人とは短時間、いつでも合えそうなお友だち一人と2時間超、私には到底理解できない行動。(編集長・井上吉郎)
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