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☆2019/6/16更新☆
【読書雑記545】『山上の説教から憲法九条へ 平和構築のキリスト教倫理』(宮田光雄、新教出版社、1800円+税)。九条は有効である。聖書釈義から説き起こし、広大な思想史的考察を経て、憲法九条に基づく防衛戦略構想に及ぶ。4つの論稿を収める。イエスの徹底した平和の福音が現実的妥当性をもつというメッセージ。朝鮮半島の危機や南シナ海の情勢が取り沙汰され、憲法改正の企図が強まる中、キリスト教の立場からの答えが示される。
第1章で、「右の頬を打たれたら左の頬をも向けよ」と述べ、山上の説教をもとに現代世界に平和を築くことを考える。第2章は「兵役拒否のキリスト教精神史」。イエスから古代教会、宗教改革までは兵役完全拒否でしたが、コンスタンティヌス以降「聖戦論」が登場し、ルターらにも引き継がれる。
第3章は「近代日本のキリスト教非戦論」。内村鑑三の非戦論が紹介される。第4章は「非武装市民抵抗の構想 日本国憲法九条の防衛戦略」。非武装であることこそが侵略者への最大の抵抗であること、それには民主主義的な価値観が浸透した社会が準備されていなければならないことが述べられる。
<イエスの言葉は、その当の人間が、まず、自己自身のうちに悪を認識することを促している。みずからの内なる悪を否認し、みずからの影を認めない者は、じっさい、それを他者に向かって投影し、それを他者に帰するであろう>
<重装備によって守られた《ローマの平和》は帝国の外形を維持するだけにすぎない。しかし、キリスト者の内側に築かれる《神の平和》は、暴力なき愛敵の精神において兵役拒否の倫理を生みださずにはいないであろう>
Smart Renewal History by The Room
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